寄付企業・団体向け2024年度「文京区こども宅食」事業報告会を実施しました
<寄付企業・団体編>
文京区こども宅食は、文京区にお住まいの経済的に厳しいご家庭に対し、食品や日用品を定期的に届け、それをきっかけに必要な支援につないでいく取り組みです。
約800世帯にお届けしている配送品や体験機会のほとんどは、事業に賛同してくださった企業や団体の皆さんからの寄付で成り立っています。
文京区こども宅食では、支えてくださる寄付企業・団体の皆さんに向け、毎年年度末に事業報告会を開催しています。
報告会の後半は、文京区長の挨拶や寄付企業・団体の皆さんへの感謝状の贈呈、さらに寄付企業・団体を代表して津和野町役場さんよりご挨拶いただきました。
今回の記事では、その後半の様子をお伝えしていきます。
▼前半の記事はこちら
https://kodomo-takushoku.jp/archives/8367
事業報告会について
文京区こども宅食は、官民7団体が対等な関係でパートナーシップを組み、コンソーシアムを形成して運営しています。
事業報告会では、コンソーシアムメンバーによる文京区こども宅食の昨年度の取り組みに関するご報告と、寄付企業の皆さんへの感謝状の贈呈を行いました。
事業報告会の流れ
1.開会の挨拶(認定NPO法人キッズドア理事長 渡辺由美子)
2.「文京区こども宅食」事業紹介(認定NPO法人フローレンス代表理事 赤坂緑)
3.2024年度「文京区こども宅食」事業報告
・社会的インパクト・マネジメントによる事業実施と改善
・2024年度の取り組みと成果
・事業の発展に向けた課題と検討
(認定NPO法人日本ファンドレイジング協会常務理事 鴨崎貴泰、認定NPO法人フローレンス代表理事 赤坂緑)
―ここから先をこの記事でお伝えします
4.文京区長からの挨拶
(文京区長 成澤 廣修)
5.感謝状贈呈
(文京区長 成澤 廣修)
6. ご支援企業からのご挨拶
(津和野町東京事務所 係長 佐伯晃 様)
7.閉会の挨拶
(ココネット株式会社 取締役社長 執行役員 堀井拓次)
4.文京区長からの挨拶(文京区長 成澤 廣修)
事業報告の後、成澤文京区長より挨拶をさせていただきました。
今年も文京区こども宅食の活動に多大なるご支援をいただき心より感謝申し上げます。
冒頭にもお話がありました通り、文京区にもこども宅食の対象者などいるのか?とよく聞かれるのですが、確かにいらっしゃいます。困っていることを人に知られたくないと思う方も多く、そのような方たちがどこにいらっしゃるのかよくわからないのが現状です。
ただ文京区の人口の増加もありますが、支援を必要としている人の数は年々増加しています。そのため皆さんに食品のご支援だけでなく、物品や体験機会をご提供いただいていることは大変ありがたく思っています。
ご支援いただく皆さんには、見えない貧困を見えないまま支援するということでお願いしています。もどかしさはあるかもしれませんが、これからもそういった形でご支援をいただければ有り難く思います。あとはこの数年の物価高で主食となるお米が不足していて、運営一同非常に苦慮しております。そのような中、お米を寄付していただいている企業・団体の皆さんには、大変ありがたく思っています。
皆さんと様々な仕組みを考えながら、ご家庭への支援につなげていければと思いますので、地域の子どもたちの笑顔のために今後もお力添えを賜りますよう切にお願い申し上げます。
5.感謝状贈呈(文京区長 成澤 廣修)
続いて成澤区長より、ご支援いただいた企業・団体の皆さんのお名前の読み上げと、感謝状の贈呈を行いました。
6.津和野町(東京事務所 係長 佐伯 晃 様)
寄付企業を代表して、2020年以降、年に2〜3回のペースでご寄付いただき、これまでに約13トンのお米を届けてくださった津和野町さんより、ご挨拶をいただきました。2024年度は店頭でお米を購入することが難しかった時期があり、ご家庭からはたいへん助かるといった感想が多数寄せられました。文京区こども宅食へご支援いただく思いなどをお話しいただきました。
文京区とのご縁は明治の文豪、森鷗外でして、彼が生まれたのが津和野町、終焉の地が文京区ということで、文京区と津和野町は平成24年に交流協定を締結しております。そして、平成26年4月に津和野町の東京事務所を文京区小石川に設立し、この4月で10周年を迎えました。
両地域の交流を深めるための施策として、津和野町のふるさと納税を活用したクラウドファンディングの仕組みによる交流事業を実施してきました。この事業で集まった資金により津和野町の生産者が作ったお米を文京区の子どもたちにお届けし、またこの事業に寄付してくださった方にも同じお米をお送りしています。
しかしながら津和野町に目を向けると農業生産者の高齢化が進み、コストと手間のかかる製法のため生産者は減少していました。クラウドファンディングの資金は、生産者を支援するためにも活用させていただいていて、都市部と地方の双方の課題を解決できる大変意義のある取り組みになっています。
文京区のご家庭から届く声が、主な担い手である高齢の生産者さんの大きな励みになっていて、米作りの情熱がさらに深まったという声も聞いております。
今後もこの活動を継続することで我々の取り組みをより多くの方に知っていただき、お米をきっかけとした都市と地方の課題を解決する循環型プロジェクトに発展させたいと考えています。
7.閉会のご挨拶(ココネット株式会社取締役社長執行役員 堀井拓次)
最後に、食品の梱包・保管・配送、および配送スタッフによる見守りを担当しているココネット株式会社の取締役社長執行役員 堀井拓次より、閉会の挨拶をさせていただきました。
ココネットは、皆さんからご支援を賜りました品物を直接ご家庭にお届けしている立場でして、ご家庭からは「ありがとう」という言葉を直接いただいたり、子どもたちが満面の笑みで受け取ってくれたりなど、非常に幸せな表情が見られて我々も逆に元気をもらったりしています。
ココネットは来季で15期目を迎えます。我々が行っているのは買い物弱者支援事業といいまして、日用品や食品、処方薬などのお届けのほか、最近では見守りの事業も増えております。薬剤師や店舗の方から、ご家庭の様子を見てきてほしいとお願いされることも少なくありません。
ただそういった形ですとどうしてもスポット的になってしまうので、定期的につながりを持ちながら配送できるこども宅食の取り組みは特別なものだと感じています。本日は2024年度の取り組み事例や2025年度の課題なども共有させていただきましたが、皆さんとともにこども宅食の事業をよりよくしていきたいと考えておりますので、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。
文京区こども宅食は、寄付企業や団体さんはもちろん、様々な形で活動を応援してくださるすべての皆さんに支えられ、そしてその支援が多くのご家庭・子どもたちに笑顔と安心を届けています。改めまして、心より感謝申し上げます。
今後も文京区こども宅食の活動に、ご理解とご協力をお願いいたします!