ローソンがこども宅食初のクーポン配信でお弁当を寄付!大胆な試みを支えた現場に浸透する「キャッチーなグループ理念」とは?

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2021.04.15

こども宅食事務局

こども宅食事務局が、こども宅食の歩みや、子どもの貧困についてのニュースをお届けします!

2018年から継続的にこども宅食に食品を寄付してくださっている株式会社ローソン。2020年12月には、外食企業とのコラボ商品の3種のお弁当「野菜カツ丼(串カツ田中ソース使用)」「三代目たいめいけん監修ハヤシライスドリア」「坂内食堂監修 喜多方ラーメン~肉盛~」を計1130食、文京区こども宅食の利用者さま275世帯にご提供いただきました。

今回は初の試みとして、お弁当と引き換えられる無料クーポンを事前にこども宅食の利用者さまに配信し、店頭で直接お弁当を受け取っていただきました。ローソンはどのような想いで今回の寄付を決定し、その実現までにはどのような苦労があったのでしょうか。株式会社ローソン 経営戦略本部 SDGs推進部の山口さま、広報部の杉原さまにお話を伺いました。

 

子どもたちへの支援にさまざまな角度から取り組んできたローソン

――このたびはお弁当のご寄付を誠にありがとうございます。ローソンさまには、以前から継続的に食品の寄付をいただいていますよね。こども宅食以外にも、このような社会貢献活動には以前から取り組まれていたのでしょうか?山口さま:ローソンは昔から社会貢献活動に力を入れています。現在は「子どもたちの未来のために」をコンセプトに、「“マチの幸せ”募金」を店頭募金箱などで集め3つの団体・活動に寄付しています。

1つは1992年に開始した「ローソン緑の募金」で、小中学校などでの緑化活動を推進しています。学校は子どもが成長過程において長い時間を過ごす場所なので、緑豊かな環境にしたいなと。

2つめが「ひとり親家庭支援奨学金制度」への寄付です。お客様からの寄付とローソンとしての持ち出しを合わせたお金を、年間400名のひとり親家庭のお子さんへの奨学金に充てています。

3つめが、文京区こども宅食にも参加されている日本サッカー協会(JFA)主催の「夢の教室」への寄付。これは、アスリートの方が先生になって小中学校で授業をおこない、子どもたちに夢を持つことや夢に向かって努力すること、仲間と協力することの大切さを伝える活動です。このように、ローソンでは子どもへの支援を特に重要視しています。

 

――こども宅食への寄付は、どのような経緯でスタートしたのでしょうか?

山口さま:弊社の社外取締役がたまたま文京区こども宅食の存在を知り、社長に「ローソンとして何かご協力できないか」と提案したのがきっかけです。初回の寄付は2018年末で、ローソンセレクトのお菓子を贈らせていただきました。このときはまだ食品ロス削減と寄付が繋がっておらず、単純に商品を購入してお渡ししていたんです。

その後、社内でSDGs委員会を立ち上げ、社会課題への関心が高まってきたなかで「食品を購入して差し上げるのもいいけれど、そもそも私たちは食べられるものを捨ててしまっているよね?」という矛盾に正面から向き合いました。それで2019年6月に契約を締結し、食品ロス削減と経済的に厳しいご家庭への支援という2つの大きな目的のもと、本格的な寄付をスタートしたという経緯があります。

 

初の試みを成功させたのは「インフラとしての強み」と「現場の想い」

――今回は初の試みとして、長期保存が効く食品ではなくお弁当を提供していただきましたね。利用者さまにあらかじめ無料クーポンを配布し、それをコンビニの店頭で見せていただくことでお弁当をお渡しするというのも、これまでにはない取り組みでした。実際にやってみて、ローソンさまとしてはどのような感想を持たれましたか?

山口さま:そもそも今回の外食コラボ商品は、「コロナ禍で外食機会が減っているなか、皆さまに楽しみをお届けしたい」「外食企業を応援したい」という想いから開発したものです。

ですので、せっかくなら地域のお子さんたちにも召し上がっていただき、笑顔になってほしいなと。また、クリスマスや年末年始といったイベントのときに寂しい思いをされている方にもお届けできたらと思い、文京区こども宅食さんにご協力をいただき、お弁当の提供が実現しました。

実際に取り組んでみると、普段からスマホ決済や無料クーポン配信のインフラが整っており、スキームが組みやすいのはコンビニの強みだと感じました。ただ、3種類のお弁当を受け取るのに1つずつクーポンを開かなければいけない煩雑さや、受け取る方に「後ろに他のお客様を待たせている」という心理的負担も多少あったと伺っているので、そうした反省点は次に活かしていきたいです。

これまでのこども宅食は利用者さまの自宅に届く支援でしたが、今回は賞味期限が短いお弁当なので、店頭まで受け取りに来ていだたくことになりました。皆さんお仕事や子育てでお忙しいなかでも、わざわざ店舗に出向いて受け取ってくださって……。「自分から受け取りに行く」ことについて前向きにご検討いただけるとわかったのは、弊社としては非常にありがたいですね。今後も他のさまざまな支援に活かせますので。

また、人目を気にせず支援を受けられる仕組みが整っているということは、コンビニが生活のインフラの一部になっている証拠でもあります。災害時だけではなく、平時でも色んな形でインフラとして機能し得ると気づけたことは大きな収穫でした。

 

――社会貢献活動について社内の理解が得られず、どうしても実行に移せないという企業は少なくありません。しかし、ローソンさまは大企業にもかかわらず決断から実行までが非常にスピーディーですし、社内全体で「社会貢献しよう」という想いが醸成されていますよね。その背景にはどのような事情があるのでしょうか?

山口さま:会社としてSDGsをどのように達成するかを考えるために、SDGs委員会の立ち上げ時に重要課題の整理を進めたことが大きいですね。そのおかげで、2019年度にはすでに「SDGsに照らし合わせると、自分たちはこういう業務を担っている」「2030年度までのKPIの目標に合わせていくには、もっとこういうことを進めておかなければならない」と各本部で具体的にイメージし、実際に動き始めていました。

また、営業本部(本社)がスーパーバイザーを通じてフランチャイズである加盟店としっかりコミュニケーションを取ってくれているのも、今回の取り組みが実現した大きなポイントです。実は今回の寄付以前は、社内でもこども宅食の存在を知る方があまりいなくて……。まずは営業本部の責任者を通して「こども宅食とはこういうもの」という前提知識から丁寧に説明しました。

加盟店のオーナーさんは弊社の社員ではなく、一人ひとりが独立した事業主です。そういった方々が今回の取り組みに賛同してくださったのは、本当にありがたかったですね。ちょうどクリスマスシーズンだったので「忙しくてそれどころではない」と言われてしまうかなと少し不安な気持ちもありましたが、皆さん快く手を挙げてくださいました。

杉原さま:また、弊社では「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」というグループ理念が組織全体に浸透していて、誰かの役に立ちたいという人が非常に多いんです。そうした共通の想いがないと、現場も取り組みについて本部から聞いただけではなかなか「じゃあやろう!」とはならなかったのではないでしょうか。

 

 

こども宅食をハブに、支援の輪を全国に拡げていきたい

――これからローソンさまとして取り組んでいきたい社会貢献活動があれば、ぜひお聞かせください。

山口さま:コンビニには「賞味期限まではまだ時間があるものの、お店での販売期限の関係上、捨てなければならない」という食品が少なくありません。例えばパンなら賞味期限まで約1日、おにぎりやお弁当でも短いながら数時間の猶予があっても捨ててしまっている現状があります。そうした食品を、必要な方に「すぐに食べる」「お店に直接取りに来ていただく」というお約束で差し上げることができて、朝ごはんやおやつとして喜んで召し上がっていただければいいですね。

そういった形でローソンの食品ロス削減にご協力いただくことが、受け取っていただく方にとって「社会貢献できている」という自信や、社会課題解決に興味を持つきっかけになれば非常に嬉しいです。

また、ローソンは、グループ会社にコンサートチケットや映画館、HMVを持つローソンエンタテインメントという会社がありエンタメが強みのコンビニです。今後は食品だけでなく、エンタメに触れる機会もご提供できたらと思っています。

今回は文京区限定の試みでしたが、社会貢献したいと思っている加盟店オーナーは日本中にたくさんいます。ぜひこども宅食をハブにして、地域ごとの特性に合わせた仕組みをつくり、今回のような取り組みを全国に広げていきたいですね。

writing:小晴

 

最後に今回の企画についてご家庭からいただいたメッセージを一部紹介します
(ご家庭からいただいた感想を一部加工して掲載しています)

クリスマスの日にご馳走をいただけて、ありがとうございました。クリスマスの日くらいは、せめて美味しいものを、と考えていたので今回の企画は非常にありがたかったです。

本当にたくさんありがとうございます。どれも物凄く美味しくて幸せでした。なかなか普段買うことが出来なかったのでとても嬉しいクリスマスプレゼントです。美味しかったのでまた購入してみます。本当にありがとうございました。

感謝以外の言葉が出てきません。年度末で仕事が忙しく、満足にクリスマスの献立を用意してあげられないと思っていたのにこんなプレゼントをいただけて、涙が出るほど嬉しかったです。

引き続きのご支援をお願い致します!

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こども宅食は、文京区の経済的に厳しいご家庭に、食品をお届けすることでつながり、見守り、必要な支援につなげていく取り組みです。
2021年も、より良いこども宅食にしていけるよう、スタッフ一同力を合わせて取り組んでまいります。

皆様のあたたかいご支援をお待ちしております!
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