こども宅食2022年度会計報告
いつもこども宅食を応援していただき、心より感謝申し上げます。
こども宅食は、2017年度に150世帯(年間延べ442世帯)への配送からスタートし、2022年度は729世帯(年間延べ4,702世帯)への配送を実現することができました。
※各年度の世帯数は、通常配送のうち配送世帯数が最大となった月の世帯数です。
新型コロナウイルス感染症に加え物価高騰の影響もあった2022年度でしたが、冷凍食品配送、クオカードや図書カードの全世帯配付、臨時便の配送など、数々の支援を実施してきました。
子育て世帯を取り巻く状況の変化を反映しながらこの事業を進めることができたのは、皆様の応援とこれまで託していただいたご寄付のおかげです。本当にありがとうございます。
ここでは、皆様からのご寄付の使途を中心に、2022年度の会計報告をいたします。
官民連携のコンソーシアム運営
こども宅食では、立場の異なる組織(自治体、NPO、企業、財団など)が、組織の壁を越えて一つのコンソーシアム(共同事業体)を形成し、互いの強みを活かしながらプロジェクトを推進しています。
また、主な運営資金は、ふるさと納税の仕組みを活用したガバメントクラウドファンディングにより集めています。このふるさと納税(ご寄付)は文京区で管理し、毎年度必要になるこども宅食の運営費に補助金として支払われています。
自治体と協働したからこそ実現した信頼性の高い事業スキーム
こども宅食では、コンソーシアム構成員相互で取り交わす「コンソーシアム協定書」、コンソーシアム事務局と文京区で取り交わす「事業協定書」を締結しており、自治体との協働により信頼性を高め運営しています。
新型コロナウイルス感染症および物価高騰の影響に対する支援策
2022年度には、長引く新型コロナウイルス感染防止対策に加え物価高騰の影響により、こども宅食利用世帯の経済状況が悪化していることを鑑み、複数の追加支援を実施いたしました。
●2022年8月、「夏の増量便」として一世帯あたり通常配送の3倍以上となる米6.6kgを含む増量便をお届けしました。また「夏の臨時便」として、文京区の一般財源から全世帯に1万円分のクオカードをお届けしました。
●2022年11月、個人の方から文京区に寄付された寄付金を活用し、子ども一人につき千円分の図書カードをお届けしました。利用世帯の子ども一人ずつの支援は初の試みで、約960人の子どもたちへ図書カードをお届けしました。
●2022年12月、「高校生世帯増量便」として、高校生のお子さんがいるご家庭にお米を追加で2kg上乗せしてお届けする支援を開始しました。以降の通常配送も継続して「高校生世帯増量便」を実施しております。
●2023年2月、「常温便」と「冷凍便」のコラボ配送として、冷凍食品(焼売、ハンバーグ、ピラフ、干物)をお届けしました。
●2023年3月、物価高騰対策として「春の臨時便」をお届けしました。物価高騰によって影響のあるインスタント味噌汁や乾麺パスタ、ミートソース等(全て購入)をお届けしました。
<目次> 1. コンソーシアム全体会計報告 (1) コンソーシアム全体の収入について (2) コンソーシアム全体の支出について 2. 文京区からの補助金会計報告 (1) 文京区補助金の収入について (2) 文京区補助金の支出について ①ふるさと納税について ②文京区一般財源について 3. 文京区補助金以外の会計報告 (1) 文京区補助金以外の収入について (2) 文京区補助金以外の支出について (3) 基金について |
1. コンソーシアム全体会計報告
(1)コンソーシアム全体の収入について
2022年度のコンソーシアム全体の収入は以下のとおりです。
補助金以外の収入には前年度繰越金(1,567,494円)利息(49円)が含まれています。前年度繰越金には、2017年度にいただいた村上財団からの支援金が含まれています。
(2) コンソーシアム全体の支出について
2022年度のコンソーシアム全体の支出は以下のとおりです。
経費の約99.88%を補助金(ふるさと納税等)から支出し、約0.12%の経費を自主財源等から支出しています。補助金支出には、ふるさと納税に加え、文京区一般財源を含んでいます。補助対象外経費については、「3. 文京区補助金以外の会計報告」で説明します。
※費目ごとの明細はハイライト下のグラフ③のとおりです。
2021年度と比較し、配送世帯が増加したことや増量便や臨時便の実施により総支出額が増加しています。
2022年度のハイライトは以下のとおりです。
<人件費>
●設定されている各団体毎の業務に対する単価を用い、業務量に応じて清算を行いました。
●2022年10月から会計業務の一部を外部に委託したため、それに関わる人件費が減額されました。
<食料購入費>
●利用世帯数の増加や、高校生の子どもがいる世帯に米を増量しお届けしたため、食料購入費が増加しました。
●お届けする食品の多くが、企業や団体からの寄付のため、全体のバランスを考慮して、一部追加購入しました。また、追加支援策(増量便や臨時便)の際にも食品を購入しました。
<支払い手数料>
●主に銀行振込に係る手数料となります。
<システム費>
●LINEやメールの配信システム、公式HPサーバー等の費用です。
●公式HPの改修に要した費用も含んでいます。
<委託費>
●2022年10月から会計業務の一部を外部に委託したため、それに関わる委託費を計上しています。
<宅配準備費>
●こども宅食の配送に係る費用、運送会社倉庫による保管、小分け作業等に係る費用です。
●増量便や臨時便の実施により経費が増加しています。
<広告宣伝費>
●ふるさと納税の寄付獲得状況に応じて、追加の広告施策を実施するため、主にWEB広告費等を増額しています。
<調査費>
●社会的インパクト調査について、アンケートの実施・集計に係る費用です。
<事務費>
●物品や体験機会のプレゼントキャンペーンの実施費用等です。
●2023年3月に実施した寄付企業・団体向けの事業報告会(オンライン)の実施に係る費用(感謝状の作成・送付に係る費用等)を含んでいます。
文京区補助金のうちの「ふるさと納税」からの支出及び補助対象外経費について、前年度との比較は表①のとおりです(前年度との比較のため、下表は「ふるさと納税」からの支出の内訳について記載しています)。
コンソーシアム総収入(68,119,543円)とコンソーシアム総支出(61,421,070円)の差額である6,698,473円については、次に続く「2. 文京区からの補助金会計報告」の返納分と「3. 文京区補助金以外の会計報告」の次期繰越金の合計額となります。
詳細は続きをご覧ください。
2. 文京区からの補助金会計報告
(1) 文京区補助金の収入について
●コンソーシアム総収入のうちの文京区補助金収入について報告します。文京区補助金収入の内訳は、ふるさと納税及び文京区一般財源です。
●ふるさと納税について、2022年度の総事業経費(予算額56,760,000円)に対して51,400,000円を目標にご寄付を募り、ふるさと納税サイトの「ふるさとチョイス」や窓口を通じて計37,713,000円のご寄付をいただきました。
●ご寄付については、全額文京区の「子ども宅食プロジェクト基金」に積み立てた上で管理されています。ふるさと納税でいただいたご寄付は、今後も文京区のこども宅食のために使われます。
●2022年度の収入としては、66,552,000円を文京区補助金として交付されました。そのうち、56,760,000円を「子ども宅食プロジェクト基金」から取り崩しました。
●「子どもへの支援」のため個人から文京区に寄付された寄付金を財源とした補助金で図書カードを購入し、2022年11月、全世帯にお届けしました。
●物価高騰に対する支援のため、文京区の一般財源から全世帯に1万円のクオカードをお届けしました。
(2) 文京区補助金の支出について
次に、2022年度に文京区から交付されたこども宅食プロジェクト補助金の使途をご報告します。
●お届けする食品の多くが、企業や団体からの寄付のため、全体のバランスを考慮して、一部追加購入しました。
●委託費には、社会的インパクト評価におけるアドバイザー費用、弁護士顧問料等が含まれています。
●宅配準備費には、配送料のほか食品梱包に必要な資材経費も含まれています。
●2022年度は、新型コロナウイルス感染症感染拡大と物価高騰に対する支援策として、追加支援を複数実施しました。
●広告宣伝費には、寄付者の方にこれまでの活動を報告するアニュアルレポートの作成経費が含まれています。
●66,552,000円の補助金が交付されましたが、実際にかかった経費は61,345,372円でした。差額である5,206,628円は、文京区へ返納しました。
●費目ごとの詳細は以下のとおりです。
●文京区補助金全体についての予算額と決算額の比較は表②のとおりです。
●この活動を支えるスタッフ14人(文京区及び村上財団の職員を除く)の人件費内訳は以下のとおりです。
<企画推進・予実管理・会計・総務>
●申込み窓口
●事業推進
●利用者対応
●情報提供
●会計
<配送管理>
●提供いただいた食品の管理
●配送情報管理
●物流計画管理
●食品の梱包・保管
●食品の配送
●配送スタッフによる見守り
<食品獲得>
●食品の調達
●協力・協賛企業の開拓
<広報・ファンドレイジング>
●こども宅食の周知
●寄付訴求
<社会的インパクト評価>
●評価システムの構築
●アンケートによる成果の測定
①ふるさと納税について
●ふるさと納税分の支出52,364,439円には、全6回の通常配送実施分及び3月臨時便の食料購入費に係る費用の一部が含まれます。
●ふるさと納税分についての予算額と決算額の比較は表③のとおりです。
②文京区一般財源について
●8月に実施したクオカードの配付について、1世帯につき1万円分計731世帯分(送料770円含む)を食料購入費として計上しました。また、全世帯配付にあたり、人件費、宅配準備費、支払い手数料、印刷費をそれぞれ計上しました。
●11月に実施した図書カードの配付について、2004年4月2日以降生まれの子ども一人につき千円分の図書カード、合計958人分(発送費用含む)を宅配準備費として計上しました。また、全世帯配付にあたり印刷費、支払い手数料をそれぞれ計上しました。
3. 文京区補助金以外の会計報告
次に、補助金以外の収入から支出した経費について報告します。
(1)文京区補助金以外の収入について
補助金以外の収入には、2017年度にいただいた村上財団からの支援金の繰越金が含まれています。
(2) 文京区補助金以外の支出について
補助対象外経費とは、文京区補助金(ふるさと納税)以外から支出した経費のことです。具体的には、補助対象外事務費(スタッフ交通費、業務用パソコンの購入費等)や、宅配準備費(余剰分の発送費用等)等が含まれます。繰越金1,567,494円及び利息49円(合計額1,567,543円)のうち、実際に発生した経費は75,698円であったため、差額の1,491,845円は次期に繰り越します。
(3) 基金について
皆様からいただいた寄付金は文京区が積み立てて管理しています。文京区が管理する「子ども宅食プロジェクト基金」については文京区のホームページをご覧ください。
会計報告は以上です。2022年度にこども宅食が生み出したインパクトについては、こちらにまとめておりますので、併せてご覧ください。引き続き、「文京区こども宅食」を応援していただきますようお願いいたします。これからも一緒に、こども宅食を届け、親子の未来をつないでいきましょう。