2018年、こども宅食に集まったもの
こんにちは!「こども宅食」担当の山崎です。2018年最後の記事となりましたが、今年1年の感謝の気持ちをお伝えできればと思います。
「苦しむ親子を放ってはおけない」と、いわば憤りからスタートした「こども宅食」。しかし今、活動のモチベーションが「憤りから、優しさ」に変わっていることを感じています。
昨年フローレンス駒崎、jfra鴨崎、子どもの貧困研究の第一人者阿部彩先生で鼎談をしたとき、阿部先生がこう仰っしゃっていました。
阿部:「貧困問題については”自己責任論”もあり、自分ごとの問題にしてもらうのは難しい問題です。しかし今はむしろ、『私も大変だから、余裕がない』という自己防衛にとらわれている方が増えてきているのではないでしょうか。『うちの子がフリーターになるかもしれないから』『もっと貯蓄をしなくてはいけないから……』と。
だから、誰かを助ける余裕がない、という方も多いのではないでしょうか。自分と自分の家族を守ろう、という自己防衛からみんなで連携して、もっと楽に過ごせるように、という連帯の方向に向かっていけばいいのではないかと思っています」
この発言に、鴨崎さんはこう付け加えます。
鴨崎:「こども宅食という活動も寄付という行為も、その参加の体験の積み上げを通して、自己防衛をしなくていいんだ、あ、お互い様なんだ、という共助・互助の感覚を育んでいくではないでしょうか」
年の瀬の今、ふたりの言葉を噛み締めています。「こども宅食」が、みなさんの優しさをちょっとずつ、おすそ分けしてもらう取り組みになっている手応えがあるのです。
例えば、今年は食品はもちろん、バッグやコンサートなど、たくさんの方から優しさをつないでいただきました。
寄付をいただいた方からは、こんなメッセージを頂いています。
「自分自信、周りの愛で育てられてきた。人から貰った愛を子供達に還元したい。このプロジェクトに出会えてよかった」
「自分も幼い時は母親しかおらず、ご飯に苦労した記憶がありますので賛同します」
「私にも二人の孫がいます。只々元気に育ってくれればと思っています。少しでもお役に立てれば幸いです」
「私自身、2歳の男の子を育てるシングルマザーなのでこういった取り組みは積極的に応援したいです。頑張ってください!」
「私も小さい子供を持つ親として、この取組みを応援したいです」
このように、たくさんの人から優しい気持ちを届けていただきました。私たちは、一連のとりくみを通じて「お互いさまだよ」「いっしょに子どもを育てようね」と、優しさを贈り合っているのかもしれません。
「こども宅食」に集まった皆さんの優しさを噛み締めることで、今日も歩み続けられます。「とどく、つながる、みらいのために」というキャッチコピーに込めたように、たくさんの人の思いがとどいて、つながって「こども宅食」はできています。
今年一年、本当にありがとうございました。来年はいよいよ全国展開もはじまります。引き続きご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。