「誰かが気にかけてくれる」安心が生む家族の笑顔
文京区こども宅食利用者インタビュー

こども宅食事務局

こども宅食事務局が、こども宅食の歩みや、子どもの貧困についてのニュースをお届けします!

文京区こども宅食は、文京区にお住まいの、経済的に厳しいご家庭を支援するために、食品や日用品を届ける取り組みです。2017年度に150世帯への配送から始まり、2024年度には約800世帯へ食品や日用品を届けるまでに拡大しました。2カ月に1度、食品や日用品などを届けながら、さまざまな家庭をサポートしています。

今回は、実際に文京区こども宅食を利用している区内在住のAさん(仮名)に、こども宅食を知ったきっかけや、もらって嬉しかったもの、ご家族の心境の変化などについてお話を伺いました。Aさんは2人のお子さんを育てるシングルマザーです。こども宅食の支援が、Aさんの家庭にどのような影響を与えているのでしょうか。

受験を控えた長女の塾代が家計を圧迫

ーーご家族の構成と、普段の暮らしについて教えてください。
中学生の娘2人と私の3人暮らしです。数年前に別の地域から東京都文京区へ引っ越しました。近くに住む両親の支えを受けながら、生活しています。

仕事で家を空けることが多いため、母が娘たちのためにご飯を作ってくれたり、子どもたちを見てくれたりしてくれるので、とても助かっています。それでも、2人の娘の子育て、仕事、家事で毎日慌ただしく、大変さを感じることはあります。娘たちは反抗期を迎えたため、対応に戸惑うときがありますね。

ーー暮らしで「大変さ」を感じるのは、どのようなときですか?
一番大変なのは、経済面です。長女が高校受験を控えており、塾に通っているのですが、塾代が家計を圧迫しています。やはり志望校に行かせてあげたいので、食費を最低限に抑えるなど、教育費の捻出のために生活費のやりくりに常に気を配っています。子どもたちにはお小遣いもあまりあげられていません。お金のことを考えることで、気持ちが疲れることがあります

ーー文京区こども宅食は、どのように知りましたか?
文京区役所から「こども宅食」のチラシを受け取り、初めて知りました。以前住んでいた地域にはなかった取り組みだったので、食品の支援を受けることで食費を抑え、その分を教育費に回せるのではないかと考えました。「もしかしたら生活の助けになるかもしれない」と思い、申し込みを決めました。

2カ月に1回の配送が家族にとっての楽しみ

ーー初めて文京区こども宅食を受け取ったとき、どのように感じましたか?お子さんたちの反応も合わせて教えてください。
思っていた以上にたくさんの食品や日用品が届き、驚きました。お米や食材だけでなく、お菓子やメイク用品まで含まれており、本当に助かります。

娘たちは特に、お菓子を楽しみにしています。ポテトチップスやチョコレートのほか、フルーツの缶詰が好きで、自分たちでフルーツポンチを作って食べています。「次はどんなものが入っているのかな?」とワクワクしながら待っており、届いたものを家族みんなで確認する時間が、ちょっとした楽しみになっています。普段は節約のために買わないものが入っているので、ご褒美のような感覚もあります。

「もんじゃ焼きの素」のような、あまり買えない調味料も入っているため、家族で新しい料理を楽しめるきっかけになりました。

食品だけでなく、メイク用品や日用品の提供も大きな支えになっています。娘たちはおしゃれに興味を持つ年頃なので、こうした支援は非常にありがたいです。普段は買い控えてしまうメイク用品が入っていると、とても喜んでいます。

ーーこども宅食を利用するようになってから、生活や精神面で変化はありましたか?
こども宅食を利用する前は、毎日の食事のやりくりに悩み、お金の不安が常に付きまとっていました。しかし、こども宅食のおかげで「食事はなんとかなる」という安心感を持てるようになり、精神的な負担が和らぎました。浮いたお金を塾代や学用品の購入に充てることができます。

あと、困ったときにチャットで気軽に相談できることも、大きな助けになっています。どこに相談すればいいのか分からないときに、チャットで尋ねると「こういう支援があるよ」と教えてもらえたことがありました。自分で調べるのは時間もかかるし、どう探せばいいかわからないことも多かったので、本当に助かっています。

特にありがたいのが、お米といった生活になくてはならない食材です。こども宅食によって生活が劇的に変わったわけではありませんが、定期的に支援を受けることで「見守られている」と感じることができ、それが温かさや安心感につながっています

また、2カ月に1回の配送が家族にとって楽しみの一つとなり、子どもたちとの会話の機会が増えました。支援があることで気持ちにも余裕が生まれ、子どもたちと過ごす時間をより大切にできるようになったと感じています。

子どもたちと一緒に、イベントに行けるのは嬉しい

ーーこども宅食のLINEでは、寄付企業提供の体験機会・プレゼントキャンペーンなどを時々ご案内していますが、ご利用されたことはありますか?
インナーをいただいたときは、とても嬉しかったです。値段が高いため、普段はなかなか手が出せませんでした。これまでは穴が空いていても買い替えるだけの余裕がないこともありましたが、いただいたインナーは丈夫で長持ちするので、大切に愛用しています。スポーツ観戦のチケットも、とてもありがたい支援でした。野球の試合に応募し、当選した際には、普段なかなか行けない場所へ家族で出かけることができました。貴重な体験をさせていただき、本当に感謝しています。他には有名店のお弁当も嬉しかったです。普段なかなか食べられないものなので、特別なご褒美のように感じました。

私自身、仕事や家事に追われ、経済的な理由もあって、娘たちと一緒にイベントを楽しむ機会がほとんどありませんでした。でも、こども宅食の支援でチケットなどをいただくことで、「せっかくだから行こう」と時間を作るきっかけになり、家族で過ごす貴重な時間が増えました。

誰かが気にかけてくれていることに安心する

ーーこども宅食の支援者に伝えたいことはありますか?
会ったこともなく、名前もわからない誰かのために寄付をしてくださる方がいることに、心から感謝しています。ふるさと納税なら自分のために使うこともできるのに、あえて見知らぬ誰かのために寄付をする方がいることを知り、その善意に感動しました。

また、企業の皆さんが「ぜひ使ってください」と食品や日用品を寄付してくださっていると聞いて、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。支援をしてくださった企業の商品を購入したり、周りに紹介をしたりしたいと思うようになりました。

2カ月に1回の配送は、単なる物資の支援にとどまらず、「見守られている」という安心感を与えてくれます。「ひとりじゃない」と思えることが、どれほど心の支えになったかわかりません。将来、生活が安定し余裕が生まれたら、今度は私が困っている誰かを支える側になりたい。そう思わせてくれる温かい支援に、心から感謝しています。

writing:薗部雄一

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