こども宅食2017年度会計報告
いつもこども宅食を応援していただき、心より感謝申し上げます。
私たちは、2017年7月にこども宅食をキックオフしました。そして、2018年6月までに5回、お申込み頂いた約450のご家庭すべてに、こども宅食を届けることが出来ました。
この事業をここまで進めることが出来たのは、多くの皆様の応援と、2,343名もの方から託して頂いたご寄付のおかげです。本日は、皆様から託して頂いたご寄付の使途を中心に、2017年度の会計報告をいたします。
前提として、こども宅食は、どのようなスキームで実施されているか
コレクティブ・インパクトを生み出すための官民連携のコンソーシアム運営
こども宅食では、「コレクティブ・インパクト」を生み出すために、立場の異なる組織(自治体、NPO、財団など)が、組織の壁を越え一つのコンソーシアム(共同事業体)を形成し、互いの強みを出し合いながらプロジェクトを推進しています。
自治体と協働したからこそ実現した信頼性の高い事業スキーム
こども宅食では、コンソーシアム構成員相互で取り交わす「コンソーシアム協定書」、コンソーシアム事務局と文京区で取り交わす「事業協定書」を締結しています。
まず、文京区を含むコンソーシアムで、予算原案の作成を行います。その後、文京区が予算案を文京区議会に提出します。この予算の承認を受けた後、文京区の「子ども宅食プロジェクト補助金要綱」に基づき、文京区よりコンソーシアムに対して、補助金が交付されます。この補助金の原資が、皆様から託して頂いた文京区へのふるさと納税になります。
以上のような前提で、2017年度の会計報告をさせていただきます。今回の会計報告については、文京区の他の補助事業と同様に、文京区に補助申請を行い、実績報告を提出し審査を受け確定したものです。
2017度の活動報告は、こちらにまとめておりますので、併せてご覧ください。
2017年度収入について
まず、2017年度の収入は以下の通りです。
- ふるさと納税サイトの「ふるさとチョイス」で、2,000万円を目標にご寄付を募りました。「返礼品なし」で皆様にご支援を募った結果、多くの共感を得ることが出来、目標を上回る8,225万3,400円ものご寄付を頂きました。
- 8,225万3,400円のうち、文京区の当初予算で計上した補助金2,000万円がコンソーシアムの収入となりました。
- 目標を上回った分のご寄付、6,225万3,400円については、文京区の「子ども宅食プロジェクト基金」において管理されており、今後も文京区のこども宅食のために使われます。
- 今年度の収入は、上記の2,000万円の補助金に加え、2つの財団からの支援が含まれています。補助金で賄えない支出や、補助対象期間外の支出については、村上財団(=繰越金)、日本財団(=助成金)に支援していただきました。
※こども宅食の企画は2016年秋から始まりましたが、ふるさと納税は、平成29年7月20日から受付を開始したため、7月19日までは立ち上げ準備期間として扱われます。この立ち上げ準備期間については文京区の補助金の対象外となります。 - 食品の多くが、企業や団体からのご寄付です。食品獲得として計上した費用は、ご寄付いただいた食品のバランスを見て、一部追加購入するために使用いたしました。(2019.01.24追記)
2017年度支出について
次に、2017年度の支出は以下の通りです。
(支出) (単位:円)
項 目 | 予算額 | 決 算 額 | 差 引 | 説 明 |
人件費 | 9,521,000 | 10,550,758 | 1,029,758 | |
食料購入費 | 320,000 | 223,244 | -96,756 | 150世帯×3回分 |
支払い手数料 | 6,264,000 | 5,547,129 | -716,871 | ふるさとチョイス利用手数料等 |
広告宣伝費 | 1,484,000 | 1,491,569 | 7,569 | 寄付獲得のためのWeb広告費等 |
公式HP制作費 | 238,000 | 200,000 | -38,000 | 寄付ページ及びボランティア受付HP制作等 |
通信費 | 118,000 | 71,150 | -46,850 | こども宅食公式HPドメイン取得費等 |
委託費 | 785,000 | 1,228,665 | 443,665 | 弁護士顧問料、食品ロス問題専門家アドバイザリー料等 |
宅配準備費 | 657,000 | 326,968 | -330,032 | 折りコン・ワンタッチダンボール購入費、宅配申し込み受付、抽選結果送付等 |
事務費 | 307,000 | 226,051 | -80,949 | 社会的インパクト調査事務費等 |
印刷費 | 220,000 | 49,456 | -170,544 | 利用申込用リーフレット等印刷費 |
保険料 | 86,000 | 85,010 | -990 | 賠償責任保険 |
小 計 | 20,000,000 | 20,000,000 | 0 | 補助(ふるさと納税)対象経費 |
補助対象外経費 | 10,800,000 | 5,550,340 | 5,249,660 | 宅配準備費、(769,456)、HP制作費(540,000)、人件費(立上準備期間含)(3,590,355)、事務費(立上準備期間含)(650,529) |
合 計 | 30,800,000 | 25,550,340 | 5,249,660 |
- 人件費については、文京区職員を除き稼働した15人のスタッフの人件費です。人件費については、無償(各団体による持ち出し)にすると、今後事業を続けられない事態も想定されるので、活動に従事した割合に応じた金額をいただいています。この活動を支えるスタッフ15人(文京区職員及び村上財団を除く)の人件費内訳(立ち上げ準備期間含む)は以下の通りです。
- 支払手数料には、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の利用手数料等が含まれます。
- 委託費には、ソーシャルワークや、社会的インパクト評価におけるデータ分析においてのアドバイザー費用、弁護士顧問料等が含まれています。
- 宅配準備費には、利用申込用のリーフレット作成費用や、ワンタッチダンボールの購入費用等が含まれます。
- 補助対象外経費には、2016年秋からのプロジェクトの準備経費や、文京区補助金(ふるさと納税)では賄えなかった経費が含まれます。
今後の展望、課題について
支援者の皆様からは「全国に広げてほしい」というエールを多くいただきます。今後は、文京区の希望する全ての家庭にこども宅食を届けながら、全国で取り組みやすいよう運営の標準化と効率化を図ります。
併せて、皆様から託して頂いたご寄付によって、こども宅食がどれだけの社会的なインパクトを生み出すことが出来るのか評価し、皆様にお伝えしていきます。
※2017年度のこども宅食の利用者に関する調査報告はこちらからご覧ください。
会計報告は以上です。
引き続き、「こども宅食」プロジェクトを応援して頂けますようお願い致します。
いっしょに、こども宅食をとどけ、親子の未来ををつないでいきましょう。