「お菓子を通じて、家族の笑顔をつなぎたい」不二家が語る、文京区こども宅食への思い

5view

2025.12.03

こども宅食事務局

こども宅食事務局が、こども宅食の歩みや、子どもの貧困についてのニュースをお届けします!

100年以上にわたり、子どもから大人まで世代を超えて愛されてきた老舗洋菓子ブランド、不二家。文京区こども宅食には2017年から欠かすことなく子どもたちに人気のお菓子をご寄付いただき、ご家庭にたくさんの笑顔を届けてきました。根底にあるのは、創業以来大切にしてきた「お菓子を通じて人と人をつなぎ、家族に寄り添う」という思いです。今回、寄付を始めた経緯や継続の理由について、同社の経営企画室 広報IR部の橋本慎也さん、宮永奈津紀さんにお話を伺いました。

地域のご縁から広がった、お菓子の寄付

ーー文京区こども宅食への寄付は、どのような経緯で始まったのですか?
本社を文京区へ移転後、地域とつながるCSR活動を模索する中で「文京区こども宅食」をご紹介いただき、本社が文京区にあるご縁もあって寄付を始めました。お菓子は家族や友人と分け合い、会話や笑顔を生む存在です。お子さんやご家族が一緒に楽しむ時間を作ることができるなら、まさに不二家らしい社会貢献になると感じました。
こども宅食へのお菓子の寄付は「未来の子どもたちを支える取り組み」ととらえています。1910年の創業以来、「お客様の人生に寄り添いたい」という思いは一貫しており、その理念に沿って迷わずスタートすることができました。

ーー御社の理念「Smile makes the heartful world」にもつながりますね。
この理念には「お菓子を通じて笑顔をつくり、その笑顔が人と人をつなぎ、心あたたまる世界を広げていく」という思いが込められています。お菓子を受け取った方が笑顔になる。その笑顔が家庭や社会を豊かにしていく。その循環こそが私たちの目指す姿です。
お菓子は単なる嗜好品ではなく、人の心を動かし、家族の絆を深める力を持っています。実際に寄付を通じて「親世代が子どものころに食べたお菓子を話題に親子の会話が広がった」「家族で一緒に楽しめる時間が増えた」といった声も届いています。お菓子をきっかけに世代を超えたつながりが生まれ、親子のコミュニケーションが活発になる。親子の会話が生まれることで家庭に笑顔が広がり、こうした小さな積み重ねこそが私たちの理念にある「心あたたかい世界」につながっていきます。

こども園運営も。子どもと家族に寄り添う不二家の取り組み

ーー文京区こども宅食以外にも、さまざまな取り組みをされているそうですね。
代表的なのが、神奈川県秦野市で運営している「ペコちゃんこども園ほりかわ」です。創業110周年を記念して行われた社内公募で「子どもを安心して預けられる環境をつくりたい」という社員の声が寄せられたことがきっかけでした。子育て世代の従業員が多い不二家では、当時、待機児童や保育園不足といった課題にも直面していました。こうした声を受け、地域と連携して既存の幼稚園をリニューアルする形で誕生しました。

ーー「ペコちゃんが行く!不二家キャラバン隊」は不二家を象徴する活動のひとつだと思いますが、その内容を教えていただけますか。
この活動は2010年、創業100周年の記念事業として始まりました。当初は単発の企画でしたが反響が大きく、ペコちゃんを知る貴重な経験であることはもちろん、CSR活動の一環として有意義な活動であることから翌2011年より全国展開に。これまでに700以上の施設を訪問し、子どもたちとの交流を続けています。ペコちゃんは不二家を象徴する存在であり、訪問先で子どもたちが笑顔になる姿を見ると、私たち社員にとっても活動の意義を強く実感できる瞬間です。ーー現場には社員の方も同行されるんですか?
はい。地方の営業所や工場の従業員が同行することもあり、実際に現場に立ち会うことで社会貢献活動への理解が深まります。人数が多すぎると施設に負担をかけてしまうため制限はありますが、「次は自分も参加したい」という声も増え、活動の輪をどんどん広げていきたいと考えています。

継続が一番大切。毎年約9000個のお菓子を届けるための工夫

ーー商品を選ぶ際には、どのような点に配慮されているのでしょうか。
まず、小さな子どもでも食べやすいサイズや形、味や見た目を意識し、安心して楽しめることを第一に、子どもたちに「楽しい」「嬉しい」と感じてもらえる商品を選ぶことも心がけています。カントリーマアムやミルキーといった定番品に加え、ハロウィーンやクリスマスなど季節限定商品もお送りするケースもあります。

ーー原材料費の高騰のような社会情勢の変化もありましたが、継続のためにどんな工夫をされていますか。
コロナ禍で生活が不安定になった時期もありましたが、社内では「だからこそ続けるべきだ」という意見で一致しました。どんなに厳しい状況でも、寄付の回数を減らそうと考えたことはありません。継続こそが、私たちのいちばん大切にしていることだからです。
ただ、原材料費の高騰は大きな課題で、特にカカオ豆の価格が上昇しています。そのような中でも、チョコレート菓子の割合を減らし、ビスケットやキャンディに置き換えるなどの工夫をしながら、すべての世帯にお届けできるようにしています。仮に数が減ったとしても、1世帯に必ず1つは届くように調整しています。

ーーお菓子を受け取ったご家庭からの反響はいかがですか。
ご家庭からは「子どもが箱を開けた瞬間に大喜びした」「家族で一緒に食べられるのが嬉しい」といった声が寄せられています。中には「季節商品は買う余裕がないから助かった」という感想もありました。社員にとっても、そうした声は大きな励みになります。単にお菓子を届けるだけでなく、家庭の時間を彩り、親子の会話を生むきっかけになっていれば嬉しいです。

▼お届けしたお菓子への感想

※上記は、不二家さんをはじめとする様々な企業・団体さんから寄付されたお菓子への感想です

食育で、子どもたちに成功体験を

ーー今後は、どのような活動に力を入れていきたいと考えていますか。
不二家がこれから注力したいのは、食育の出張授業など子どもたちが自信を持てるような体験を様々な場所で展開していくことです。以前、食育活動の一環として「100年後のケーキを考えよう」というイベントに協力し、子どもたちが自分のアイデアを発表する場を設けました。子どもたちが自分のアイデアを一生懸命に語る姿に、大きな感動を覚えたのを今も鮮明に覚えています。こうした経験は子どもたちにとって貴重な成功体験となり、自己肯定感を育むきっかけになります。
また、食育イベントは保護者の関心も高く、生活が厳しくなる中で「食の大切さ」を子どもに伝える機会はますます重要です。現在はオンライン開催が中心ですが、今後は対面での活動を増やしていきたいと思います。
また、食育イベントとは別の話ですが、子ども達の体験機会に差が生まれないような活動も今後取り組んでいきたいと考えています。

ーー最後に、寄付や社会貢献を検討している企業へメッセージをお願いします。
社会課題を一社だけで解決することは難しいものです。しかし、小さな行動でも積み重なれば大きな力となります。大切なのは「まず一歩を踏み出すこと」。続けることで社員の笑顔が増え、その姿が企業の価値向上にもつながっていくと思っています。

 

不二家にとって、寄付は単なる社会貢献ではなく、「子どもと家族を笑顔にする」「未来を担う子どもたちを応援する」という思いを形にする大切な活動です。もともと子ども支援に力を入れてきた同社にとって、文京区こども宅食への寄付はその延長線上にあり、地域と歩みをともにする象徴的な取り組みでもあります。
何より大切にしているのは、続けること。同社は、コロナ禍や原材料費の高騰といった大きな壁があっても、途切れることなく寄付を続けてきました。
橋本さん、宮永さんは「子どもや家庭から『笑顔になれた』という声が届いたとき、この活動を続けてきて本当に良かったと感じます。これからも、子どもたちの未来に笑顔を届けていきたい」と語ります。

writing:薗部雄一

文京区こども宅食はふるさと納税による寄付を原資として活動しています!

文京区こども宅食の活動は、活動を応援してくださっている皆さんからのご寄付(ふるさと納税によるガバメントクラウドファンディング)で成り立っています。
配送する食品や日用品の多くは企業や団体からの寄付によるものですが、追加の食料購入費や配送費、活動費等が必要となります。皆さんからお寄せいただいたふるさと納税は、こうした活動費用に充てています。

皆さんのご寄付が、子どもたちや子育て家庭の力になります。今後も多くのご家庭にこども宅食をお届けできるよう、皆さんのご支援をよろしくお願いいたします。

>>ふるさと納税でのご支援はこちらから

>>食品寄付のお問い合わせはこちらから
>>ふるさと納税について詳しくはこちらから

参加しよう

伝えよう