東京ガスの本気の社会貢献 ─食品会社じゃなくても、できることがある─
こども宅食の調査で、こども宅食の利用後「気持ちが豊かになった」「社会との繋がりが感じられるようになった」など、保護者の気持ちに変化が生まれたことが分かりました。これは、こども宅食の成果として最も効果があったことの1つで、利用家庭の85%が、心理的にポジティブな変化があったと回答しています。
こども宅食の利用家庭に「社会に支えられている」という実感を届けたい。食品を届けるだけでなく、「社会との繋がり」で、心と生活が豊かになることを目指しています。
今回、インタビューに伺ったのは、東京ガス株式会社。日本のインフラを支え続ける大企業です。東京ガス株式会社は、こども宅食にキッチンクロスやラップ、ガスコンロなどの寄付をしてくださっています。
私たちがお届けする「食品」とは、一見何の関係もなさそうな東京ガスから、なぜ寄付をいただけることになったのでしょうか?
長年続けられてきた、多彩な社会貢献活動
東京ガスは、清掃活動や、環境活動、エネルギーに関する出張授業、防災関連や、料理教室、そして今回のこども宅食への寄付に至るまで、幅広い社会貢献活動に取り組んでいます。これらの取組みについて「大企業で人材も豊富で、イメージアップのためにもやっているのかな・・・」と受け止めることもできます。
インタビューで一貫して感じたのは「自社のリソースで出来る範囲で、地道に社会貢献をしていきたい」そして、「そのためなら、他社とどんどん協働していこう」という社会貢献活動への本気の姿勢でした。
いざ、企業が社会貢献に取り組もうと思っても、「自社のサービスや商品では、社会に貢献できるものは何もない」と考えるCSR担当者は多いのではないでしょうか。東京ガスの取り組みは、そんな企業に対して、新しい寄付や社会貢献のあり方を示してくれます。
「台所にエネルギーを供給するということは、食品とは別の角度で、日本の”食事”を支えてきたということです。」
担当の中塚さんは、そう語ります。今回のこども宅食への寄付も、その思いから生まれたと言います。
「調理回りであれば、どんなことでも、食という意味で役にたつんじゃないかなって。自社だけでは限界があるので、色々な人と協力する必要がありますよね」
1人の社員の気付きから生まれた「片手でクッキング」
東京ガスの本気の姿勢が生んだ、とてもユニークな料理教室がありました。それは、「片手でクッキング」。片手でしか調理ができない方向けに、片手で調理をするときの工夫や、便利な道具、レシピなどを紹介しています。
「片手でクッキングは、自分の知り合いが脳梗塞になった後に、料理が好きだったのに、できなくなってしまった。片手でしかできなくなったときに、どうしたら良いんだろうっていう1人の社員の話からスタートした企画です。そういう”気付き”があると、上手くいくことが多いですよね。」
この言葉を聞いた時、東京ガスの社会貢献活動における豊富なアイデアの秘訣が、もう1つ分かった気がしました。社員一人一人が「気付いて」いるから、多彩なアイデアが沢山でてくるのだな、と。そして、社員一人一人が気付けているのは、「自社のリソースを生かし、社会を支えていく」という意識が浸透しているからだと。
災害時の非常食として配布しているドロップス。災害時のガスの復旧方法が書いてある。
自社のリソースでできる範囲の、わくわくする社会貢献を
最後に、今後のこども宅食との協働について伺いました。
「調理はもっと広めていきたいというのがありますので、料理教室とかそういうのもできたらなと。また、障がい者雇用の一環として農園を持っているので、その農園でとれた野菜で料理教室をしながら、野菜を作ったのは誰か、ということも伝え、多様性について感じてもらったり・・・。容器に、災害時のガスメーターの復旧方法が書いてある防災用ドロップというのがありまして、それを配ることもできます。
体験という点でいくと、サッカー、アメリカンフットボール、バレーボールなどのチームがそれぞれ社会貢献活動をやってますので、招待することもできます。障がい者スポーツの体験も・・・!」
でてきた案も、多彩で、多岐に渡るものでした。話を聞いていた私たちも、一緒にワクワクさせて頂きました。今後も、一緒に取り組めることが楽しみです。こども宅食と東京ガスとの今後の協働に、ご期待ください。
そして、「できる範囲で」「他団体と協働しながら」というのは、これからの「社会をよくしていく方法」の1つではないでしょうか。こども宅食では、東京ガスのように「食品に関係のない企業や個人」からの、寄付や体験機会のアイデアを募っています。ご連絡をお待ちしております。