「文化芸術は生きていく力」こども宅食のご家庭を4公演に招待した文京アカデミーの思いとは

こども宅食事務局

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地域社会の発展と豊かな区民生活の実現を目的として、コミュニティの育成や文化芸術の振興、生涯学習の推進を事業の柱とする公益財団法人文京アカデミー。同法人は、今年度4回に渡って文化芸術に触れる機会をこども宅食にプレゼントしてくださいました。

◆ご招待いただいた4公演◆2023年7月   吹奏楽コンサート 40名⇒好評につき80名に増員
2023年9月   和太鼓公演 10名
2023年10月 クラシックコンサート 40名
2023年12月 クラシックバレエ公演 40名

4公演で延べ170名のご招待をご提供いただき、ご家庭からは、「コンサートに行ったことがないから」「子どもが音楽が好きだから」といったお声とともに、いずれもたくさんのご応募をいただきました。

今回、文京アカデミーさんがこども宅食のご家庭に文化芸術に触れる機会をプレゼントしてくださった背景には、どのような思いがあるのでしょうか。公益財団法人文京アカデミー シビックホール ホール事業係長の金子雅彦さんは、「文化芸術は生きていく力」と語ります。お話を伺いました。

地域社会の発展と豊かな区民生活の実現に貢献する

―まずは文京アカデミーさんの事業内容や取り組みについて教えてください。

文京区の指定管理事業者として、地域社会の発展、豊かな区民生活の実現に貢献するため、幅広い事業を手掛けています。シビックホールや地域アカデミー(※)等の区民施設の管理運営や文化芸術振興事業だけでなく、各種講座の開催などの生涯学習の推進事業もおこなっています。私は主にシビックホールなどを使った文化芸術事業を担当しており、今年で7年目になります。

  • ※地域アカデミーとは、区民の皆さんの学習・文化活動の拠点として、生涯学習の充実・振興を図ることを目的とした施設です。

 

―事業自体が社会貢献的な色味が強いものなのですね。

そうですね。ホールでの公演だけではなく、区内の小中学校にアーティストを派遣して児童・生徒さんに楽しんでもらったり、文京区内の文化施設で地域の方々に無料で楽しんでいただけるミニコンサートを開催したり。アウトリーチ事業(※)とよんでいますが、そういった活動を日常的におこなっています。

  • ※アウトリーチとは、対象者の居る場所に出向いて働きかけることを意味し、公的機関や文化施設などが地域に出張しておこなうサービスをアウトリーチ事業と呼んでいます。

コロナ禍で再認識した文化芸術の力をより多くの方に

―今回、こども宅食のご利用家庭を公演に招待してくださることになった経緯はどのようなものだったのでしょうか。

音楽を聴いたり演劇を見たりすると、私たちは感動したり癒やされたり勇気づけられたり、大げさに言えば「生きていく力」みたいなものがもらえると私は思っているんです。

以前からそう思っていたのですが、コロナ禍を経て、より文化芸術は必要不可欠なものだと感じました。新型コロナウイルスの流行が落ち着いて公演が再開してみると、ご来場されたお客様から「待っていました」とか「コロナ禍で気持ちが沈んでいたけれど、演奏を聴いて元気をもらいました」とか、そういったお声をたくさんいただいたんです。

私たちの生活になくてはならない文化芸術を、より多くの方々にお届けしたいと思い、先程お話したようなアウトリーチ事業をおこなっているのですが、やはりホールでのより本格的な舞台芸術を鑑賞していただきたいという思いもあったんですね。とはいえ様々なご家庭のご事情で、ホールでの舞台芸術に触れる機会が得づらい方もいるだろうと感じておりました。そのような中で私たちにできることはないかと区に相談したところ、こども宅食をご紹介いただき、こども宅食のご利用家庭をご招待させていただこう、という運びになりました。

たくさんのご家庭からの応募「楽しかったです!」「また行きたいね」

◆ご家庭からのコメント◆
※いただいたご感想を一部加工して掲載しています。

普段どこも行きたいなどとは言わない真面目な性格で気を遣う娘が音楽が好きで、伝えたら行きたい!と珍しく言ったので、少しでもリラックスしたり楽しめたりすることをしてあげたく、申し込ませていただきました。

子どもに生の音楽に触れさせる経験をさせてあげたい。 色んな分野をみて、子どもが自分自身で興味を惹かれるものを知ってほしい。

ずっとこの公演が見てみたかったです。新しい一歩を踏み出すきっかけにもなりそうです。

はじめてのコンサートに行かせていただき、音色など子どもたちも感動していましたまた行きたいねとお話しておりました。

ナビゲーターのトーク、指揮者の熱意、豊かなパフォーマンス、曲目の豊かさ。 特に最後の演奏は、演者の皆さんもとても楽しそうで、 娘と二人でノリノリで聴いていました。 楽しかったです!

子どもが吹奏楽に興味を持ってくれたようで嬉しく思います。 プロの方の演奏を聴かせてあげられる機会をいただき大変感謝しております。

―ご招待いただいたご家庭からの感想をご覧になって、どのようにお感じになったかお聞かせください。

今回、年間を通して4つの公演にご招待させていただいているのですが、この公演は私たちが事業提携している4つの芸術団体にご理解をいただいて実現しました。

◆文京アカデミーが事業提携している4つの芸術団体◆・東京フィルハーモニー交響楽団 https://www.tpo.or.jp/
・シエナ ウインド オーケストラ https://sienawind.com/
・鼓童 https://www.kodo.or.jp/
牧阿佐美バレヱ団 https://www.ambt.jp/

ご招待させていただこうと決めた後、実は少し不安がありました。本格的なクラッシックや吹奏楽のコンサートは、行かれたことがない方にとっては敷居が高く感じられて、もしかしたらあまり応募してくださらないんじゃないかと思ったんです。でも、第一回のシエナ・ウインド・オーケストラの公演のときに、「たくさんの応募がありました!大反響です」というお言葉とともに、ご応募いただいた方々から「吹奏楽に興味がある子がいてぜひ聞かせてあげたい」とか、「子どもが吹奏楽部に所属していて音楽が大好きで、鑑賞できたら嬉しいです」というようなコメントもいただいたので、本当にホッとしました。

たくさんの応募を頂戴したので、40名のご招待予定だったところ、追加して80名ご招待させていただきました。その後の公演もたくさんご応募いただいたと伺っています。当初の不安を払拭するようなすごい反響をいただいて嬉しく思っていたところです。本当にありがとうございます。

―「こども宅食」と関わっていただく中で、「こども宅食」の印象はどのような変化があったのでしょうか。

言葉としての「こども宅食」という活動は知っていたつもりですが、改めてこども宅食のサイトや今回ご応募くださった方々のコメントも拝見し、本当に多くの方が利用されていて、利用されている方々にはいろいろなニーズがあるんだなということがわかりました。そしてそこにたくさんの支援が寄せられていることもわかり、今までより身近な存在になりました。

―先程アウトリーチ事業の話もありましたが、こども宅食も、アウトリーチ型の支援を大事にしています。そういった意味ではこども宅食と文京アカデミーさんの思いは通じる部分があるのかもしれません。

文化芸術に触れた子どもたちの心に残るものがあればいい

―子どもが文化芸術に触れる機会について、改めてどのようにお考えですか。

先程も申し上げたとおり、文化芸術は私たちに生きていく力をもたらしてくれると思ってます。公演をご覧になって、お子さんが「楽しかった」とか「すごい」とか感じてくださったら嬉しいですね。鑑賞したあと、ご家庭で親御さんと感想を言い合ったりとか語り合ったりとかすることも含めて、そういったことは絶対に子どもたちの心に残っていくんじゃないかなと思っています。

―金子さんご自身が、文化芸術によって「生きていく力」をもらったご経験はありますか。

先程新型コロナウイルスの話もしましたが、コロナ禍で企画した公演が立て続けにできなくなったときは、動画投稿サイトやCDで音楽を聴いてすごく元気づけられたりとか。プロの音楽家や愛好者たちがオンラインでつないで合唱や演奏する動画を見て、自分も頑張ろうかなっていう風に励まされたりしました。

繰り返しになってしまいますが、子どもだけではなく、私たち一人ひとりにとって、文化芸術は生きていく上で必要なものだなと思います。

―社会貢献事業や支援活動に関する文京アカデミーさんとしての今後の展望と、こども宅食とのこれからの関わりについて、お聞かせください。

冒頭にも申しました通り、私たちは地域社会の発展と区民生活の質の向上というところに貢献していかなければいけないと思っていますし、それは今後も変わらないものです。それを大前提にしながら、こども宅食だけではなく地域のいろいろなニーズを捉えて、私たちにできることを、これからもいろいろな形で貢献していきたいです。

また、年度によってご招待させていただく人数に変動はあるかと思いますが、引き続きこども宅食を利用するご家庭をぜひ公演にご招待させていただきたいと思っております。

今回本当にたくさんのご応募をいただけたことは、個人としてもすごく嬉しいですし、応募された方々はきっと公演を楽しんでくださっているのではないかと思います。鑑賞した子どもたちの心に少しでもなにか残ってくれたらいいなと願います。

こども宅食はふるさと納税による寄付を原資として活動しています!

こども宅食事業を運営するためには、配送する食品以外にも、様々な企業・団体のみなさんからのご寄付を適切にご家庭に届けるため、配送費、広告宣伝費、人件費などの資金が必要です。

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こうした活動資金にあてるため、全国からのふるさと納税で寄付を募集しています。
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