こども宅食2023年度会計報告

こども宅食事務局

こども宅食事務局が、こども宅食の歩みや、子どもの貧困についてのニュースをお届けします!

いつも文京区こども宅食を応援していただき、心より感謝申し上げます。

文京区こども宅食は、2017年度に150世帯(年間延べ442世帯)への配送からスタートし、2023年度は802世帯(年間延べ5,118世帯)への配送を実現することができました。

※各年度の世帯数は、通常配送のうち配送世帯数が最大となった月の世帯数です。

前年度に引き続き物価高騰の影響があった2023年度でしたが、冷凍食品配送、図書カードの全世帯配付、臨時便の配送など、数々の支援を実施してきました。

子育て世帯を取り巻く状況の変化を反映しながらこの事業を進めることができたのは、皆さんの応援とこれまで託していただいたご寄付のおかげです。本当にありがとうございます。

ここでは、皆さんからのご寄付の使途を中心に、2023年度の会計報告をいたします。

※内容の見直しにより、昨年度の掲載項目と一部異なっております。

官民連携のコンソーシアム運営

文京区こども宅食では、立場の異なる組織(自治体、NPO、企業、財団など)が、組織の壁を越えて一つのコンソーシアム(共同事業体)を形成し、互いの強みを活かしながらプロジェクトを推進しています。

また、主な運営資金は、ふるさと納税の仕組みを活用したガバメントクラウドファンディングにより集めています。このふるさと納税(ご寄付)は文京区で管理し、毎年度必要になるこども宅食の運営費に補助金として支払われています。

自治体と協働したからこそ実現した信頼性の高い事業スキーム

文京区こども宅食では、コンソーシアム構成員相互で取り交わす「コンソーシアム協定書」、コンソーシアム事務局と文京区で取り交わす「事業協定書」を締結しており、自治体との協働により信頼性を高め運営しています。

物価高騰の影響に対する支援策

2023年度には、前年度より続く物価高騰の影響でこども宅食利用世帯の経済状況が悪化していることを鑑み、複数の追加支援を実施いたしました。

●前年度に引き続き「高校生世帯増量便」として、高校生のお子さんがいるご家庭にお米を追加で2kg上乗せしてお届けする支援をすべての通常配送で実施しました。

2023年8月、全世帯にお米を増量してお届けする「夏休み増量便」を実施し、高校生世帯は6kg、それ以外の世帯は4kgのお米をお届けしました。

2024年2月、「常温便」と「冷凍便」のコラボ配送として、冷凍食品(冷凍シューマイ、冷凍チキンライスなど)をお届けしました。

2024年3月、物価高騰対策として「春の臨時便」を実施しました。物価高騰の影響が続くご家庭の家計や家事の負担が減るよう、無洗米、インスタント味噌汁、シリアルやホットケーキミックス(全て購入)をお届けしました。

<目次>
1. コンソーシアム全体会計報告
(1) コンソーシアム全体の収入について
(2) コンソーシアム全体の支出について

2. 文京区からの補助金会計報告
(1) 文京区補助金の収入について
(2) 文京区補助金の支出について
 ①ふるさと納税について
 ②文京区一般財源について

3. 文京区補助金以外の会計報告
(1) 文京区補助金以外の収入について
(2) 文京区補助金以外の支出について
(3) 基金について


1.コンソーシアム全体会計報告

 (1)コンソーシアム全体の収入について

2023年度のコンソーシアム全体の収入は60,313,845円(表①)です。
文京区補助金は、ふるさと納税(57,162,000円)と一般財源(1,660,000円)を原資にしており、補助金以外の収入には前年度繰越金(1,491,845円)が含まれています。前年度繰越金には、2017年度にいただいた村上財団からの支援金が含まれています。

(2) コンソーシアム全体の支出について

2023年度のコンソーシアム全体の支出は56,030,167円(表①)です。

経費の約99.82%を補助金(ふるさと納税等)から支出し、約0.18%の経費を自主財源等の補助金以外の経費から支出しています。

※費目ごとの明細は表②およびグラフ①のとおりです。

 

ンソーシアム総収入(60,313,845円)とコンソーシアム総支出(56,030,167円)の差額である4,283,678円のうち、文京区補助金の差額2,892,138円を文京区に返納しました。また、補助金以外の差額1,391,540円は次期繰越金としています。詳細は次に続く「2. 文京区からの補助金会計報告」の返納分と「3. 文京区補助金以外の会計報告」をご覧ください。

2. 文京区からの補助金会計報告

(1) 文京区補助金の収入について

●コンソーシアム総収入のうちの文京区補助金収入について報告します。文京区補助金収入の内訳は、ふるさと納税及び文京区一般財源です。

ふるさと納税について、2023年度の総事業経費(予算額57,162,000円)に対して当初予算額(55,000,000円)とふるさとチョイス手数料の合計額である61,650,000円を目標にご寄付を募り、ふるさと納税サイトの「ふるさとチョイス」や窓口を通じて計88,179,000円のご寄付をいただきました。

寄付金については、全額文京区の「子ども宅食プロジェクト基金」に積み立てた上で管理されています。2023年度はふるさと納税で目標金額を上回る金額をご寄付いただきましたが、超過分は今後も文京区のこども宅食のために使われます。

2023年度の収入としては、58,822,000円を文京区補助金として交付されました。そのうち、57,162,000円を「子ども宅食プロジェクト基金」から取り崩しました。

「子どもへの支援」のため個人から文京区に寄付された寄付金を財源とした補助金で図書カードを購入し、2023年11月、全世帯にお届けしました。

(2) 文京区補助金の支出について

次に、2023年度に文京区から交付された文京区こども宅食プロジェクト補助金の使途をご報告します。

2023年度は、物価高騰に対する支援策として、追加支援を複数実施しました。

58,822,000円の補助金が交付されましたが、実際にかかった経費は55,929,862円でした。差額である2,892,138円は、文京区へ返納しました。

文京区補助金全体についての収入と支出の比較は表③のとおりです。

●費目ごとの詳細は以下のとおりです。

※括弧内は一般財源の金額で、内数で掲載しています。

2023年度のハイライトは以下のとおりです。

<人件費>
設定されている各団体毎の業務に対する単価を用い、業務量に応じて清算を行いました。

<食料購入費>
●物価高騰の影響を考慮し食品購入における一世帯の単価を見直したため、食料購入費が増加しました。
●お届けする食品の多くが、企業や団体からの寄付のため、全体のバランスを考慮して、一部追加購入しました。また、追加支援策(増量便や臨時便)の際にも食品を購入しました。

<支払い手数料>
●主に銀行振込に係る手数料となります。

<システム費>
●LINEやメールの配信システム、公式HPサーバー等の費用です。
●公式HPの改修に要した費用も含んでいます。

<委託費>
●社会的インパクト評価におけるアドバイザー費用、弁護士顧問料、会計業務委託費等を計上しています。
●2023年4月から相談員委託費を計上しています。

<宅配準備費>
●こども宅食の配送に係る費用、運送会社倉庫による保管、小分け作業等に係る費用です。配送料のほか食品梱包に必要な資材経費も含まれています。
●増量便や臨時便の実施により経費が増加しています。

<広告宣伝費>
●ふるさと納税の寄付獲得のためのWEB広告費等に係る費用です。
●寄付者の方にこれまでの活動を報告するアニュアルレポートの制作経費が含まれています。

<調査費>
●社会的インパクト調査について、アンケートの実施・集計に係る費用です。

<事務費>
●物品や体験機会のプレゼントキャンペーンの実施費用等です。
●2024年3月に実施した寄付企業・団体向けの事業報告会の実施に係る費用(感謝状の作成・送付に係る費用等)を含んでいます。

この活動を支えるスタッフ14人(文京区及び村上財団の職員を除いた2024年2月時点の人数)の人件費内訳は以下のとおりです。

①ふるさと納税について

●ふるさと納税分の支出54,553,442円には、全6回の通常配送実施分及び3月臨時便の食料購入費に係る費用の一部が含まれます。

●ふるさと納税分についての収入と支出の比較は表⑤のとおりです。

※上記の支出額に加え、ふるさとチョイスの手数料として6,274,606円を支出しています。

②文京区一般財源について

●11月に実施した図書カードの配付について、2005年4月2日以降生まれの子ども一人につき千円分の図書カード、約1,180人分(発送費用含む)を宅配準備費として計上しました。また、全世帯配付にあたり、印刷費、事務費、支払い手数料をそれぞれ計上しました。

3.  文京区補助金以外の会計報告

次に、補助金以外の収入から支出した経費について報告します。

(1)文京区補助金以外の収入について

補助金以外の収入には、2017年度にいただいた村上財団からの支援金の繰越金が含まれています。

(2) 文京区補助金以外の支出について

補助金以外の支出とは、文京区補助金(ふるさと納税等)以外から支出した経費のことです。具体的には、補助対象外事務費(スタッフ交通費、業務用パソコンの購入費等)や、宅配準備費(余剰分の発送費用等)等が含まれます。繰越金1,491,845のうち、実際に発生した経費は100,305円であったため、差額の1,391,540円は次期繰り越します。        

(3) 基金について

皆さんからいただいた寄付金は文京区が積み立てて管理しています。文京区が管理する「子ども宅食プロジェクト基金」については文京区のホームページをご覧ください。

会計報告は以上です。2023年度にこども宅食が生み出したインパクトについてはこちらにまとめておりますので、併せてご覧ください。

引き続き、「文京区こども宅食」を応援していただきますようお願いいたします。これからも一緒に、こども宅食を届け、親子の未来をつないでいきましょう。

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