こども宅食2018年度会計報告
いつもこども宅食を応援していただき、心より感謝申し上げます。
こども宅食は150世帯(年間442世帯)への配送からスタートし、2018年度には570世帯(年間2,965世帯)への配送を実現することが出来ました。この事業をここまで進めることが出来たのは、皆様の応援とこれまで託して頂いたご寄付のおかげです。
本日は、皆様から託して頂いたご寄付の使途を中心に、2018年度の会計報告をいたします。
こども宅食は、どのようなスキームで実施されているか
コレクティブ・インパクトを生み出すための官民連携のコンソーシアム運営
こども宅食では、「コレクティブ・インパクト」を生み出すために、立場の異なる組織(自治体、NPO、企業、財団など)が、組織の壁を越え一つのコンソーシアム(共同事業体)を形成し、互いの強みを出し合いながらプロジェクトを推進しています。
自治体と協働したからこそ実現した信頼性の高い事業スキーム
こども宅食では、コンソーシアム構成員相互で取り交わす「コンソーシアム協定書」、コンソーシアム事務局と文京区で取り交わす「事業協定書」を締結しており、自治体との協働により信頼性を高め運営して参りました。以下が2018年度の会計報告となります。
① コンソーシアム全体会計報告
コンソーシアム全体の収入について
2018年度の収入は以下の通りです。収入の内訳については、補助金に加え前年度の繰越金(村上財団からの支援金)が含まれています。
コンソーシアム全体の支出について
2018年度のコンソーシアム全体の支出は以下の通りです。
経費の約89.2%を補助金(ふるさと納税)から支出し、補助対象外となった約10.8%の経費を、自主財源等から支出しています。2017年度と比較し、配送世帯数が150世帯から570世帯へと増加したことによる人件費と、食料購入費、宅配準備費が増加しています。今年度のハイライトは以下の通りです。
<人件費>
・企画推進、配送管理、広報ファンドレイズ担当に、専任職員を配置し、食品獲得、効果測定としての社会的インパクト評価、予実管理(目標として積算した予算とその実績を比べ、達成状況を管理すること)・会計・総務それぞれの担当職員を増員しています。
・従事する職員の社会保険料等を計上(2018年度は繰越金及び事業者自己負担で対応。2019年度より補助経費として計上)し、持続可能な体制づくりを行いました。
<食品購入費>
・利用者数増に伴い、寄付のみで揃わない食品の補填と、全体のバランスを考慮して、一部食品を追加購入しました。
<支払手数料>
・文京区への直接納付によるふるさと納税額が増加し、ふるさと納税寄付システムを経由する寄附金額が減少しているため支払い手数料が減っています。
<配送準備費>
・取り扱い食品数、量の増加に対応するため、運送会社倉庫による保管、小分け作業等の費用が増加しています。
<委託費>
・社会的インパクト評価にかかる分析を首都大学東京阿部彩教授、群馬医療福祉大学新藤健太助教授に委託しています。
項目 | 文京区補助金 | 補助対象外経費 | 計 | 構成比 | 前年度経費計 | 前年度構成比 | 増減額 |
人件費 | 20,104,827 | 4,373,488 | 24,478,315 | 59.6% | 14,141,113 | 55.3% | 10,337,202 |
食料購入費 | 2,692,676 | 0 | 2,692,676 | 6.6% | 223,244 | 0.9% | 2,469,432 |
支払手数料 | 2,613,233 | 0 | 2,613,233 | 6.4% | 5,547,129 | 21.7% | △2,933,896 |
広告宣伝費 | 1,185,051 | 0 | 1,185,051 | 2.9% | 1,491,569 | 5.8% | △306,518 |
公式HP製作費 | 44,887 | 0 | 44,887 | 0.1% | 740,000 | 2.9% | △695,113 |
通信費 | 77,543 | 0 | 77,543 | 0.2% | 71,150 | 0.3% | 6,393 |
委託費 | 2,573,431 | 0 | 2,573,431 | 6.3% | 1,228,665 | 4.8% | 1,344,766 |
宅配準備費 | 6,568,982 | 0 | 6,568,982 | 16.0% | 1,096,424 | 4.3% | 5,472,558 |
事務費 | 752,445 | 45,756 | 798,201 | 1.9% | 876,580 | 3.4% | △78,379 |
印刷費 | 58,190 | 0 | 58,190 | 0.1% | 49,456 | 0.2% | 8,734 |
保険料 | 1,930 | 0 | 1,930 | 0.0% | 85,010 | 0.3% | △83,080 |
予備費 | 0 | 0 | 0 | 0.0% | 0 | 0.0% | 0 |
小計 | 36,673,195 | 4,419,244 | 41,092,439 | 100% | 25,550,340 | 100% | 15,542,099 |
コンソーシアム総収入(45,011,133円)とコンソーシアム総支出(41,092,439円)の差額である3,918,694円については次に続く
②文京区からの補助金会計報告
③文京区補助金以外の会計報告
をご覧ください。
② 文京区からの補助金会計報告
文京区補助金の収入について
- 2018年度の事業経費(3,800万円)と同額の3,800万円を目標にご寄付を募り、ふるさと納税サイトの「ふるさとチョイス」等を通じて、51,873,625円のご寄付を頂きました。
- 目標を上回った分のご寄付については、全額文京区の「子ども宅食プロジェクト基金」に積み立てた上で管理されています。今後も文京区のこども宅食のために使われます。
- 2018年度の収入としては、基金から3,800万円を取り崩し、文京区補助金として交付されました。
文京区補助金の支出について
次に、2018年度に文京区から交付されたこども宅食プロジェクト補助金の使途をご報告します。
- 食品の多くが、企業や団体からのご寄付です。食品購入費として計上した費用は、ご寄付いただいた食品のバランスを見て、一部追加購入するために使用しています。
- 支払手数料には、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の利用手数料等が含まれます。
- 委託費には、ソーシャルワークや、社会的インパクト評価におけるデータ分析についてのアドバイザー費用、弁護士顧問料等が含まれています。
- 3,800万円の補助金を交付されましたが、実際にかかった経費は36,673,195円であったため差額の1,326,805円は文京区へ返納しました。
費目 | 予算額 | 決算額 | 差引 | 説明 |
人件費 | 20,300,000 | 20,104,827 | 195,173 | 内訳は別表をご確認ください |
食料購入費 | 2,800,000 | 2,692,676 | 107,324 | のべ2,965世帯 |
支払い手数料 | 3,000,000 | 2,613,233 | 386,767 | ふるさとチョイス利用手数料、銀行振込手数料 |
広告宣伝費 | 1,200,000 | 1,185,051 | 14,949 | 活動報告記事作成費、年次報告書作成 |
公式HP等制作費 | 200,000 | 44,887 | 155,113 | 公式HP保守・運用費用 |
通信費 | 200,000 | 77,543 | 122,457 | LINE@使用料、情報共有システム費 |
委託費 | 2,580,000 | 2,573,431 | 6,569 | 食品ロス問題専門家アドバイザリー料、調査専門家依託費、弁護士顧問料 |
宅配準備費 | 6,600,000 | 6,568,982 | 31,018 | 宅食配送・梱包費用等 |
事務費 | 900,000 | 752,445 | 147,555 | 社会的インパクト調査事務費、移動交通費等 |
印刷費 | 100,000 | 58,190 | 41,810 | 利用申込用リーフレット、寄付者向け資料等 |
保険料 | 10,000 | 1,930 | 8,070 | 行事保険 |
予備費 | 110,000 | 0 | 110,000 | |
小計 | 38,000,000 | 36,673,195 | 1,326,805 | ※差引額(残額)は文京区へ返金 |
この活動を支えるスタッフ19人(文京区職員及び村上財団を除く)の人件費内訳は以下の通りです。
次に、補助金以外の収入から支出した経費について見ていきます。
③ 文京区補助金以外の会計報告
補助金以外の収入について
補助金以外収入には、前年度支援を頂いた村上財団による支援金の繰越金が含まれています。
2018年度支出について
補助対象外経費とは、文京区補助金(ふるさと納税)以外から支出した経費のことです。具体的には、前述のとおり管理費(社会保険料等)や、事務費(スタッフ研修参加費等)が含まれます。5,249,660円の繰越金及び、各団体の自己負担金1,761,473円のうち、実際にかかった経費は、4,419,244円であったため、差額の2,591,889円は次期に繰り越します。
基金について
みなさまからいただいた寄附金は文京区が積み立てて管理しています。「子ども宅食プロジェクト基金」については文京区のホームページをご覧ください。
会計報告は以上です。2018年度にこども宅食が生み出したインパクトについては、こちらにまとめておりますので、併せてご覧ください。引き続き、「こども宅食」プロジェクトを応援して頂けますようお願い致します。いっしょに、こども宅食をとどけ、親子の未来ををつないでいきましょう。