こども宅食2019年度会計報告
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2020.06.30
いつもこども宅食を応援していただき、心より感謝申し上げます。
こども宅食は2017年度に150世帯(年間442世帯)への配送からスタートし、2018年度には570世帯(年間2,965世帯)、2019年度には620世帯(年間4,686世帯)への配送を実現することが出来ました。この事業をここまで進めることが出来たのは、皆様の応援とこれまで託して頂いたご寄付のおかげです。
本日は、皆様から託して頂いたご寄付の使途を中心に、2019年度の会計報告をいたします。
※本記事のPDF版はこちらからダウンロードいただけます。
官民連携のコンソーシアム運営
こども宅食では、立場の異なる組織(自治体、NPO、企業、財団など)が、組織の壁を越え一つのコンソーシアム(共同事業体)を形成し、互いの強みを出し合いながらプロジェクトを推進しています。
また、運営資金は、ふるさと納税を活かしたガバメントクラウドファンディングにより集めています。このふるさと納税(ご寄付)は文京区で管理し、毎年度必要になるこども宅食の運営費に補助金として支払われています。
自治体と協働したからこそ実現した信頼性の高い事業スキーム
こども宅食では、コンソーシアム構成員相互で取り交わす「コンソーシアム協定書」、コンソーシアム事務局と文京区で取り交わす「事業協定書」を締結しており、自治体との協働により信頼性を高め運営して参りました。
なお2019年度は、2020年3月2日からの全国公立学校休校措置に伴い、「こども宅食」を利用中の620世帯に対して、2ヶ月に1回の定期配送とは別に3月臨時便を配送しました。昨年度との比較をわかりやすくするため、臨時便に関する会計に関しては定期配送と分けて報告いたします。
<目次>
1.定期便配送
(1) コンソーシアム全体会計報告
(2) 文京区からの補助金会計報告
(3) 文京区補助金以外の会計報告
2.臨時便配送
(1) 文京区からの補助金会計報告
1.定期便配送
(1) コンソーシアム全体会計報告
① コンソーシアム全体の収入について
2019年度の収入は以下の通りです。収入の内訳については、補助金に加え前年度の繰越金(村上財団からの支援金)が含まれています。
② コンソーシアム全体の支出について
2019年度のコンソーシアム全体の支出は以下の通りです。
経費の約98.8%を補助金(ふるさと納税)から支出し、補助対象外となった約1.2%の経費を、自主財源等から支出しています。2018年度と比較し、配送世帯数が570世帯から620世帯へ、配送回数が6回から7回へと増加したことにより、人件費、食料購入費、宅配準備費等が増加しています。今年度のハイライトは以下の通りです。
<人件費>
- 利用者数増に伴い、日常的な問い合わせ対応件数も増加してることから、利用者対応の専任職員を配置しました。LINEを使った利用者対応、情報提供等を実施できました。
- 各団体毎に業務に対する単価を決定し、業務量に応じて清算を行いました。
<食品購入費>
- 昨年に引き続き、利用者数増に伴い、寄付のみで揃わない食品の補填と、全体のバランスを考慮して、一部食品を追加購入しました。
- トライアルとして夏休み配送を実施しました。
<支払い手数料>
- ふるさと納税サイトを経由する寄附金額が前年より増加したため事業者に対する手数料が増えています。
<宅配準備費>
- 取り扱い食品数、量の増加に対応するため、運送会社倉庫による保管、小分け作業等の費用が増加しています。
- トライアルとして夏休み配送を実施しました。
<事務費>
- LINE等を通じた子育て・生活に役立つ情報の提供、利用者限定の物品提供のキャンペーン等を実施しました。
<調査費>
- 社会的インパクト調査について、これまでの紙面アンケートに加えてオンラインアンケートシステムを導入しました。これによりアンケートの実施・集計にかかるコストを削減しました。
※前年度は委託費・事務費として計上しておりましたが、今年度より調査費目を新設しました。
<システム費>
- 利用者対応の件数増加に伴い、複数人で問い合わせ管理が可能なLINE管理システムを導入しました。
コンソーシアム総収入(54,827,566円)とコンソーシアム総支出(42,967,545円)の差額である11,860,021円については次に続く
(2) 文京区からの補助金会計報告
(3) 文京区補助金以外の会計報告
にて説明します。続きをご覧ください。
(2)文京区からの補助金会計報告
①文京区補助金の収入について
- 2019年度の事業経費(予算額60,000,000円)に対して60,000,000円を目標にご寄付を募り、ふるさと納税サイトの「ふるさとチョイス」等を通じて、94,690,441円のご寄付を頂きました。
※2019年度の事業開始にあたり、さらなるコストダウンを図った結果、事業経費は52,234,200円となりました。
- ご寄付については、全額文京区の「子ども宅食プロジェクト基金」に積み立てた上で管理されています。ふるさと納税でいただいたご寄付は今後も文京区のこども宅食のために使われます。
- 2019年度の収入としては、ご寄付を積み立ててある基金から52,234,200円を取り崩し、文京区補助金として交付されました。
②文京区補助金の支出について
次に、2019年度に文京区から交付されたこども宅食プロジェクト補助金の使途をご報告します。
- お届けする食品の多くが、企業や団体からのご寄付です。食品購入費として計上した費用は、ご寄付いただいた食品のバランスを見て、一部追加購入するために使用しています。
- 支払手数料には、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の利用手数料等が含まれます。
- 広告宣伝費には、寄付者の方にこれまでの活動を報告するアニュアルレポートの作成経費が含まれています。
- 委託費には、社会的インパクト評価におけるアドバイザー費用、弁護士顧問料等が含まれています。
- 宅配準備費には、配送料のほか食品梱包に必要な資材経費も含まれています。
- 52,234,200円の補助金を交付されましたが、実際にかかった経費は42,467,327円であったため差額の9,766,873円は文京区へ返納しました。
この活動を支えるスタッフ16人(文京区職員及び村上財団を除く)の人件費内訳は以下の通りです。
次に、補助金以外の収入から支出した経費について見ていきます。
(3) 文京区補助金以外の会計報告
① 補助金以外の収入について
補助金以外収入には、2017年度支援を頂いた村上財団による支援金の繰越金が含まれています。
② 補助対象外の支出について
補助対象外経費とは、文京区補助金(ふるさと納税)以外から支出した経費のことです。具体的には、補助対象外人件費や、事務費(スタッフ研修参加費等)が含まれます。2,591,889円の繰越金及び、各団体の自己負担金1,477円のうち、実際にかかった経費は、500,218円であったため、差額の2,093,148円は次期に繰り越します。
③ 基金について
みなさまからいただいた寄附金は文京区が積み立てて管理しています。文京区が管理する「子ども宅食プロジェクト基金」については文京区のホームページをご覧ください。
2.臨時便配送(新型コロナウイルス感染症対策)
(1) 文京区からの補助金会計報告
① 文京区補助金の収入について
- 臨時便にかかる経費は、文京区より4,916,000円が補助金として交付されました。
②文京区補助金の支出について
次に、交付された補助金の使途をご報告します。
- 臨時便ではお米以外について寄付の調達ができなかったため、620世帯分を購入しました。
- 4,916,000円の補助金を交付されましたが、実際にかかった経費は4,486,690円であったため差額の429,310円は文京区へ返納しました。
臨時便の実施に関わったスタッフ4人(文京区職員を除く)の人件費内訳は以下の通りです。
*臨時便については、補助金以外の収入はありませんでした。
会計報告は以上です。2019年度にこども宅食が生み出したインパクトについては、こちらにまとめておりますので、併せてご覧ください。引き続き、「こども宅食」プロジェクトを応援して頂けますようお願い致します。これからも一緒に、こども宅食をとどけ、親子の未来をつないでいきましょう。