こども宅食2020年度会計報告

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2021.06.30

こども宅食事務局

こども宅食事務局が、こども宅食の歩みや、子どもの貧困についてのニュースをお届けします!

(2022.03.31 訂正)
会計報告に一部誤りがあったため、内容を訂正しております。
該当箇所は以下です。

1.コンソーシアム全体会計報告
(2)コンソーシアム全体の支出について

3. 文京区補助金以外の会計報告
(2) 文京区補助金以外の支出について

訂正箇所の詳細については「こども宅食2020年度会計報告」の誤りについてお詫びと訂正の記事をご確認ください。

いつもこども宅食を応援していただき、心より感謝申し上げます。

こども宅食は、2017年度に150世帯(年間延べ442世帯)への配送からスタートし、2018年度には570世帯(年間延べ2,965世帯)、2019年度には620世帯(年間延べ4,686世帯)、2020年度には669世帯(年間延べ5,049世帯)への配送を実現することができました。

2020年度には、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み少しずつ対象要件を拡大し、さらに、臨時便、増量便、おこめ券・QUOカードの配送と、数々の支援を実施してきました。

子育て世帯を取り巻く状況の変化を反映しながらこの事業を進めることができたのは、皆様の応援とこれまで託していただいたご寄付のおかげです。本当にありがとうございます。

ここでは、皆様からのご寄付の使途を中心に、2020年度の会計報告をいたします。

官民連携のコンソーシアム運営

こども宅食では、立場の異なる組織(自治体、NPO、企業、財団など)が、組織の壁を越えて一つのコンソーシアム(共同事業体)を形成し、互いの強みを活かしながらプロジェクトを推進しています。

また、運営資金は、ふるさと納税の仕組みを活用したガバメントクラウドファンディング等により集めています。このふるさと納税(ご寄付)は文京区で管理し、毎年度必要になるこども宅食の運営費に補助金として支払われています。また、2020年度は、「こども宅食」という手法の全国への広まりを受け、新たに創設された東京都や国の補助金を活用することができました。

 

自治体と協働したからこそ実現した信頼性の高い事業スキーム

こども宅食では、コンソーシアム構成員相互で取り交わす「コンソーシアム協定書」、コンソーシアム事務局と文京区で取り交わす「事業協定書」を締結しており、自治体との協働により信頼性を高め運営して参りました。

 

新型コロナウイルス感染症流行に伴う支援策

2020年度中には、長引く新型コロナウイルス感染症の対策として、数々の支援を実施いたしました。

・2020年5月、「緊急支援」としておこめ券・QUOカードをお届けしました。(QUOカード購入費には、文京区の一般財源を活用)

・2020年8月、学校給食の提供がない夏休みに、「夏休み増量便」の配送を行いました。(東京都の補助金を活用)

・2020年12月、定期便に合わせて季節性のある食品を追加購入し、「年末年始増量便」としてお届けしました。

・2021年3月、「進級・進学おめでとう 3月春休み臨時便」として、全食品を購入した臨時便を配送しました。(国の補助金を活用)

(お届けする食品の梱包作業の様子)

<目次>
1. コンソーシアム全体会計報告
(1) コンソーシアム全体の収入について
(2) コンソーシアム全体の支出について

2. 文京区からの補助金会計報告
(1) 文京区補助金の収入について
(2) 文京区補助金の支出について
 ①ふるさと納税について
 ②文京区一般財源について
 ③東京都からの補助金について
 ④国からの補助金について

3. 文京区補助金以外の会計報告
(1) 文京区補助金以外の収入について
(2) 文京区補助金以外の支出について
(3) 基金について


1. コンソーシアム全体会計報告

 (1)コンソーシアム全体の収入について

2020年度の収入は以下のとおりです。補助金以外の収入には前年度繰越金(2,093,148円)、利息(232円)、その他助成金等(18,980円)が含まれています。前年度の繰越金には、2017年度にいただいた村上財団からの支援金が含まれています。その他助成金等には、口座開設時の1円及び執筆・講演に係る謝礼を計上しています。

(2) コンソーシアム全体の支出について

2020年度のコンソーシアム全体の支出は以下のとおりです。

経費の約99.5%を補助金(ふるさと納税等)から支出し、約0.5%の経費を自主財源等から支出しています。補助金支出には、ふるさと納税に加え、文京区一般財源、東京都と国からの補助金を含んでいます。補助対象外経費については、「3. 文京区補助金以外の会計報告」で説明します。

※費目ごとの明細はハイライト下のグラフのとおりです。

2019年度と比較し、配送世帯数が620世帯から669世帯(年間延べ4,686世帯から延べ5,049世帯)へと増加したこと、追加支援を複数回実施したことにより、人件費、食料等購入費、宅配準備費、事務費等が増加しています。

2020年度のハイライトは以下のとおりです。

<人件費>

  • 設定されている各団体毎の業務に対する単価を用い、業務量に応じて清算を行いました。
  • 利用対象の拡大により利用者数が増加したため、利用者対応・配送管理・食品獲得等に関わる人件費が増加しました。

 

<食料等購入費>

  • お届けする食品の多くが、企業や団体からの寄付のため、全体のバランスを考慮して、一部追加購入しました。
  • ふるさと納税以外の財源も活用した追加支援を複数回実施したため、前年度より大幅に増加しています。8月夏休み増量便、12月年末年始増量便、3月春休み臨時便の実施に当たり、多くの食品等を購入しました。
  • 2020年5月に全利用世帯に配付したおこめ券・QUOカードの購入費も、食料等購入費として計上しています。


<支払い手数料>

  • ふるさと納税サイトの運営事業者に対する手数料(3,009,082円)の支払いは自治体が担当することになったため、基金から文京区が支払いました。このため、コンソーシアムとしての支出額は前年度より大幅に減少しました。

<宅配準備費>

  • 取り扱い食品数及び重量の増加に対応するため、運送会社倉庫による保管、小分け作業等の費用が増加しました。
  • 5月おこめ券・QUOカード配付、8月夏休み増量便、12月年末年始増量便、3月春休み臨時便配送を実施したため、前年度より費用が増加しました。

 

<事務費>

  • LINE等を通じた子育て・生活に役立つ情報の提供、利用者限定の物品提供のキャンペーン等が増えたことに伴い、主に物品の発送等にかかる費用が前年度より増加しました。
  • 追加支援を複数回実施したことにより、事務費が増加しました。

 

<調査費>

  • 社会的インパクト調査について、前年度から導入したオンラインアンケートシステムの活用により、アンケートの実施・集計にかかるコストを、前年度よりさらに削減することができました。

 

<広告宣伝費>

  • こども宅食の知名度が上がり、毎年寄付してくださる方が増えたため、広告宣伝費を前年度より削減することができました。

  • 文京区補助金のうちの「ふるさと納税」からの支出及び補助対象外経費について、前年度との比較は下表のとおりです(前年度との比較のため、下表は「ふるさと納税」からの支出の内訳について記載しています)。

ンソーシアム総収入(71,794,860円)とコンソーシアム総支出(62,760,070円)の差額である9,034,790円については、次に続く
2.文京区からの補助金会計報告
3.文京区補助金以外の会計報告
にて説明します。続きをご覧ください。

 

2. 文京区からの補助金会計報告

(1) 文京区補助金の収入について

  • コンソーシアム総収入のうちの文京区補助金収入について報告します。文京区補助金収入の内訳は、ふるさと納税、文京区一般財源、東京都と国からの補助金です。

  • ふるさと納税について、2020年度の総事業経費(予算額49,800,000円)に対して49,800,000円を目標にご寄付を募り、ふるさと納税サイトの「ふるさとチョイス」等を通じて、61,385,000円のご寄付を頂きました。
  • ご寄付については、全額文京区の「子ども宅食プロジェクト基金」に積み立てた上で管理されています。ふるさと納税でいただいたご寄付は、今後も文京区のこども宅食のために使われます。
  • 2020年度の収入としては、「子ども宅食プロジェクト基金」から53,548,730円を取り崩し、文京区補助金として交付されました。
  • 新型コロナウイルス感染症流行に伴う支援策として、文京区の一般財源からQUOカードを購入しました。合わせてお届けしたおこめ券の購入や、発送に係る費用は、基金から追加支出しました。
  • 東京都の補助金を活用し、学校給食の提供がない8月に「夏休み増量便」の配送を行いました。
  • 国の補助金を活用し、3月に「進級・進学おめでとう 3月春休み臨時便」として、全食品を購入した臨時便を配送しました。

 

(2) 文京区補助金の支出について

次に、2020年度に文京区から交付されたこども宅食プロジェクト補助金の使途をご報告します。

  • お届けする食品の多くが、企業や団体からの寄付のため、全体のバランスを考慮して、一部追加購入しました。
  • 2020年度は、新型コロナウイルス感染症流行に伴う支援策として、追加支援を複数回実施しました。追加支援実施のため購入したQUOカードの代金も食料等購入費として計上しています。
  • 広告宣伝費には、寄付者の方にこれまでの活動を報告するアニュアルレポートの作成経費が含まれています。
  • 委託費には、社会的インパクト評価におけるアドバイザー費用、弁護士顧問料等が含まれています。
  • 宅配準備費には、配送料のほか食品梱包に必要な資材経費も含まれています。
  • 69,682,500円の補助金を交付されましたが、実際にかかった経費は62,452,419円でした。差額である7,230,081円は、文京区へ返納しました。

  • 費目ごとの詳細は以下のとおりです。

  • 文京区補助金全体についての予算額と決算額の比較は下表のとおりです。

  • この活動を支えるスタッフ12人(文京区及び村上財団の職員を除く)の人件費内訳は以下のとおりです。

 

①ふるさと納税について

  • ふるさと納税分の支出には、全6回の通常配送実施分及びおこめ券の購入や発送に係る費用が含まれます。

②文京区一般財源について

  • 5月に実施したおこめ券・QUOカードの配付に係る支出のうち、QUOカード購入費6,120,000円(10,000円券を612枚購入)及び購入したカードの事務局までの送料770円を文京区一般財源から支出しました(コンソーシアムではQUOカード購入費を食料等購入費、送料を事務費として計上)。

 

③東京都からの補助金について

  • 文京区が実施主体として、東京都からの補助金1,700,000円の交付を受けました。これを活用し、学校給食の提供がない夏休み期間である8月に、「夏休み増量便」として増量分の食品を総額1,745,598円分購入し、通常分と合わせて配送しました。本補助金は全額食料等購入費に充てています。


④国からの補助金について

  • 文京区が実施主体として、国からの補助金8,313,000円の交付を受けました。これを活用し、2021年3月に「進級・進学おめでとう 3月春休み臨時便」として、全食品を購入して配送しました。本補助金の支出内訳は以下のとおりです。

 

(「進級・進学おめでとう 3月春休み臨時便」の内容)

 

次に、補助金以外の収入から支出した経費について報告します。

3.  文京区補助金以外の会計報告

(1) 補助金以外の収入について

補助金以外収入には、2017年度にいただいた村上財団からの支援金の繰越金が含まれています。その他助成金には、口座開設時の1円及び執筆・講演に係る謝礼を計上しています。

 

(2) 補助対象外の支出について

補助対象外経費とは、文京区補助金(ふるさと納税)以外から支出した経費のことです。具体的には、補助対象外事務費(利用者向け図書カード代、スタッフ交通費等)や、印刷費(利用者向け冊子の印刷代等)が含まれます。2,093,148円の繰越金、執筆・講演謝礼等18,980円及び利息232円(合計額2,112,360円)のうち、実際に発生した経費は307,651円であったため、差額の1,804,709円は次期に繰り越します。

 

(3) 基金について

みなさまからいただいた寄附金は文京区が積み立てて管理しています。文京区が管理する「子ども宅食プロジェクト基金」については文京区のホームページをご覧ください。

会計報告は以上です。2020年度にこども宅食が生み出したインパクトについては、こちらにまとめておりますので、併せてご覧ください。引き続き、「文京区こども宅食」を応援していただきますようお願い致します。これからも一緒に、こども宅食をとどけ、親子の未来をつないでいきましょう。

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