SDGsってなに?文京区こども宅食の応援を通して私たちができること

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2021.10.28


みすみぞのいずみ
フリーライター

ソーシャルグッドや社会課題解決を目指す活動に関心があるライターです。少しでも多くの方に自分ごととして考えてもらえるような記事をお届けしたいと思っています。

近年よく耳にするようになったSDGsという言葉。最近はテレビや新聞などでもSDGsをテーマにした内容が取り上げられることが増えました。しかし、実はSDGsについてあまり詳しく知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

SDGsとは2030年までに持続可能な社会を目指すための目標のこと。地球上の誰ひとりとして取り残さないことを誓っています。国や政府、企業レベルでさまざまな取り組みが行われている一方で、私たちにもできることは数多くあります。たとえば「文京区こども宅食」などのSDGsに取り組む団体を応援していただくこともそのひとつです。

今回はSDGsについてもう少し深く掘り下げていき、自分に取り組めることはないか探してみましょう!

 

SDGsとは?

SDGsはさまざまな社会課題解決のための17の大きな目標とともに、169のターゲット(具体的な目標)で構成されています。2015年の国連サミットで採択され、先進国も途上国も一丸となって2030年までに達成が求められています。それぞれの目標をみてみましょう。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをクリーンにそしてみんなに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

貧困や飢餓、教育など、これまで幾度となく掲げられてきた課題をはじめ、ジェンダー、働きがい、パートナーシップなど現代を生きる私たちが抱える問題が包括的に挙げられているのが特徴です。

日本でも総理大臣を本部長とした「SDGs推進本部」が設置され、有識者による意見交換の場も設けられています。また、これまで企業の社会貢献活動といえば本業のかたわらで行われることが一般的でしたが、SDGsにおいては本業を通じて取り組むことが求められています。

「文京区こども宅食」もSDGsに貢献する活動団体のひとつです。17の目標のうち、「1.貧困をなくそう」、「10.人や国の不平等をなくそう」、「16.平和と公正をすべての人に」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」の実現に向け取り組まれています。

 

「文京区こども宅食」の取り組み

文京区こども宅食は文京区にお住まいの経済的に厳しいご家庭に対し、主に企業からの寄付による食品や日用品などを定期的に届けることでつながり、見守り、必要な支援につなげていく取り組みです。2017年からスタートし、2021年8月時点で約700世帯がこども宅食を利用しています。

子ども食堂やフードバンクなども同じく支援が必要な家庭をサポートする取り組みですが、自ら声を上げることが難しい親子が利用するにはハードルが高いという難点があります。これらのサポートを利用したいけれど、困っていることを周囲に知られたくないと思っている親子も少なくありません。

そういったご家庭とも繋がることができるよう、文京区こども宅食は、お困りのご家庭に支援を受けていることを知られないよう直接食品等をお届けしています。LINE等で気軽に申し込みができる上に、ちょっとしたお問い合わせをLINEで受けることも行っているため、仕事が忙しい人や心身の調子が悪い人でも申し込みや問い合わせのハードルが低いことが特徴です。支援が必要となる前から家庭とゆるやかなつながりを持ち続けることで、見守りながら必要な支援につなぐことができる点もこども宅食の強みです。

 

なぜ文京区でこども宅食が必要?

「1.貧困をなくそう」
「16.平和と公正をすべての人に」

裕福なイメージのある文京区ですが、実際には就学援助や児童扶養手当を利用している子育て家庭が約1,000世帯も存在しています。

子どもの貧困は周囲から見えにくいため、支援を阻む壁となっていることが多くあります。さらに文京区のように周囲が豊かであればあるほど、子どもは格差を目の当たりにし、周りと自分を比較してしまうことも多いものです。結果として自己肯定感の低下や相対的な不幸感などを抱いてしまいかねません。

こういった状況を改善しようと文京区独自の子どもの貧困対策の一環として、文京区こども宅食は始まりました。
またご家庭とゆるやかにつながりを持ち続けることで必要なサポートにつなぐことができ、こういった点でもSDGsの目標、「貧困をなくそう」「平和と公正をすべての人に」に貢献しようとしている活動です。

 

過去にはこんな取り組みも!

「10.人や国の不平等をなくそう」

文京区こども宅食では食品や日用品を届けるだけにとどまらず、体験機会の提供や緊急支援など様々な取り組みを行っています。

支援を必要とする家庭では親が家事や仕事に忙しいことや経済的に厳しいことなどから、出かける機会が少ないというデータもあります。そのような家庭に向けて、活動に共感する企業や団体の協力を得ながら、体験の機会が数多く提供されています。
また、コロナ禍での緊急支援や夏休み期間での増量便なども実施されています。

家庭の状況に関わらずあらゆる体験機会の提供やサポートをするという点においてSDGsの「人や国の不平等をなくそう」という目標の実現に取り組まれています。

 

洋服のチャリティサンプルセールを実施

衣食住の中でも「衣」は優先度が低く、洋服を買うのは後回しとなってしまう家庭は多いようです。とくに自分の洋服は二の次となり、まずは子どもの食事や学習の機会をと考える保護者の方は少なくありません。
そこで洋服や雑貨をスペシャルプライスで販売するチャリティサンプルセールが実施されました。さらに売上金はチャリティとして活用されるため、同時に寄付となるしくみです。
当日は開場と同時に長蛇の列ができ、多くの親子が来場し、「前向きな気持ちになれた」、「チャリティで社会貢献もできて清々しい気持ちになった」など笑顔あふれるイベントとなりました。(チャリティサンプルセールの記事はこちらから

 

バレーボール観戦にご招待

コロナ禍でさまざまな活動が制限される以前にはF.C.TOKYOのバレーボール大会観戦が実現しました。「親子で出かける貴重な機会になった」、「忙しい日々の中で非日常のひとときが持てた」などの感想が寄せられ、親子にとって特別な時間を過ごせたことがうかがえます。(バレーボール観戦の記事はこちらから

スポーツ観戦だけでなく、グランピングやミュージアムのチケットプレゼント等、体験型のイベントへの参加も、企業や団体とのつながりの中で実現してきました。コロナ禍においてはオンラインでの学習支援やダンススクールの受講などをお届けし、体験の機会の確保につなげています。

 

コロナ対策としての緊急特別支援

文京区こども宅食では、2ヵ月に一回の定期便の配送に加え、新型コロナウイルス感染症への対応として臨時便の配送や、緊急支援も実施しました。
2020年3月には、全国一斉臨時休校に対応するため追加支援として臨時便の配送も。子どもでも簡単に調理して食べられる品物を中心とし、保護者の負担軽減を図りました。
5月には休校延長に対応するため、お米券とQUOカードを緊急支援として配送。8月には「夏休み増量便」、9月にはこども宅食利用対象者を拡大し、12月には「年末年始増量便」、さらに2021年3月には「進級・進学おめでとう春休み臨時便」も届けました。

 

官民連携のコンソーシアムが運営主体

「17.パートナーシップで目標を達成しよう」

文京区こども宅食は、コンソーシアムという共同事業体で、一般財団法人村上財団/一般社団法人RCF/NPO法人キッズドア/認定NPO法人日本ファンドレイジング協会/文京区/認定NPO法人フローレンス/セイノーホールディングス株式会社(ココネット株式会社)の7団体で運営されています。

それぞれの団体の強みをいかして活動することで、より効果的に文京区こども宅食を推進し課題解決をできると考え、コレクティブ・インパクトと呼ばれる立場の異なる組織(行政、企業、NPO、財団、有志団体など)が協働する手法をとられています。
更に、この活動は食品の寄付企業や、ふるさと納税で応援している個人の方の支えがあってこその活動といえます。
その点においても「パートナーシップで目標を達成しよう」に添った取り組みです。

 

子どもの貧困問題は放置すると社会的な損失に

子ども世代の経済格差は教育や学力の格差につながり、将来の所得格差を生み出す可能性があります。個人の所得が少ないと税や社会保障費用の支払いも少なくなり、国の財政負担は増加。日本経済や国民それぞれに与える影響が大きくなり、結果として子どもの貧困問題は社会的な損失を生み出しかねません。また、所得格差を背景として親から子へと貧困は連鎖しやすく、継続的な社会問題となっています。

日本において子どもの貧困問題はなかなか見えにくいものですが、確実に存在しています。見えにくいからといって放置していると、経済的にも社会的にも私たちは大きなものを失ってしまうかもしれません。子どもの貧困問題は決して他人ごとではないのです。

 

「文京区こども宅食」はふるさと納税を通して応援できます!

SDGsでは提示された問題を知るだけでなく、自分ごととして行動に移すことも私たちに対して求めています。とはいえ貧困などの社会課題に対し、自分にいったい何ができるのだろうかと思ってしまいますよね。

自分自身で大きなアクションを起こすのは難しいですが、その社会課題について取り組んでいる団体を支援するという方法であればすぐに行動に移すことが可能です。

文京区こども宅食はふるさと納税を通じて応援していただけます。こども宅食のふるさと納税はガバメントクラウドファンディング(自治体が抱える課題解決のためにプロジェクトを立ち上げ、それに共感した方から活動資金をふるさと納税にて募る仕組み)のため返礼品がなく、寄付のすべてが事業に活用されます。

文京区こども宅食の支援を通じて、一緒に問題解決に取り組んでみませんか。

writing:みすみぞのいずみ

 

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