文京区こども宅食が大切にしている“体験”の機会提供とは

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2021.12.09

こども宅食事務局

こども宅食事務局が、こども宅食の歩みや、子どもの貧困についてのニュースをお届けします!

「文京区こども宅食」は、文京区在住の児童扶養手当受給世帯や、就学援助利用世帯など経済的に厳しい子育て家庭へ食品や日用品を直接お届けすることでつながり、見守り、必要な支援につなげていく取り組みです。

2017年に150世帯から活動をスタートし、今では約700世帯にこども宅食をお届けしています。

2ヶ月に1回のこども宅食の定期配送と並行して、企業さんから寄付をいただき、体験の機会を提供できるような施策も行っています。

なぜ、こども宅食では体験の機会提供も行っているのでしょうか。

 

子どもの頃の体験がその後の成長に影響を及ぼす

文部科学省が発表した『令和2年度青少年の体験活動に関する調査研究結果報告』によると調査結果として以下のことがわかっています。

(1)小学生の頃に体験活動(自然体験、社会体験、文化的体験)や読書、お手伝いを多くしていた子供は、その後、高校生の時に自尊感情(自分に対して肯定的、自分に満足しているなど)や外向性(自分のことを活発だと思う)、精神的な回復力(新しいことに興味を持つ、自分の感情を調整する、将来に対して前向きなど)といった項目の得点が高くなる傾向が見られました。

(2)小学生の頃に異年齢(年上・年下)の人とよく遊んだり、自然の場所や空き地・路地などでよく遊んだりした経験のある高校生も上記と同様の傾向が見られました。

(3)経験した内容(体験活動や読書、遊び、お手伝い)によって影響が見られる意識や時期が異なることから、一つの経験だけでなく、多様な経験をすることが必要であるということも見えてきました。

(4)小学校の時に体験活動などをよくしていると、家庭の環境に関わらず、高校生の時に自尊感情や外向性、精神的な回復力といった項目の得点が高くなる傾向が見られました。

 

経済的な理由でこどもの体験などの機会が「ない」という家庭が一定数ある

一方で、文京区こども宅食を利用しているご家庭へのアンケート調査では、経済的な理由により体験などの機会が「ない」という家庭があるという事実が、わかりました。

2020年度インパクト・レポートより

経済的な理由により「ない」、「できない」と回答があった割合で多かったものとしては以下になります。
●1年に1回程度家族旅行に行く
●学習塾に通わせる(または家庭教師に来てもらう)
●子どもが自宅で宿題をすることができる場所
●遊園地やテーマパークに行く

文科省の調査でも記載があった、小学生の頃の体験活動(自然体験、社会体験、文化的体験)や読書と照らし合わせてみても、経済的な理由により機会が「ない」という家庭が少なくないことがアンケート結果からわかりました。

 

少しでも多くのご家庭に体験の機会提供を

経済的な状況に関わらず、子どもの頃に体験の機会がもてるよう、文京区こども宅食では、定期的な食品の配送と並行して、企業さんからご寄付をいただいて体験の機会提供も実施しています。

過去に実施した事例をご紹介します。
※数に限りがあるものに関しては応募があったご家庭のなかから抽選にてご提供しています
※コロナ禍以前に行ったものも含まれています

●遊園地のチケットプレゼント
●ミュージアムのチケットプレゼント
●グランピングへの招待
●オンラインで習い事が受けられるような企画
●オンラインで社会科見学
●スポーツ観戦
●チャリティサンプルセール
●靴のプレゼント
●ランドセルのプレゼント
●絵本のプレゼント
●学習教材のプレゼント      など

このような機会提供が実現できたのは、同じ想いを持った企業さんからのあたたかいご協力があったからこそです。
体験機会を提供してくださった団体さんから文京区こども宅食にむけてメッセージをいただいております。

▼アルバエデュさん

2021年1月よりオンライン授業の「オンラインおうち学校」を提供しています。
生産現場、施設、企業等とオンラインでつなぎ、現地の大人と直接会話をする双方向の試みで、幅広い分野への好奇心を掻き立てる授業です。学校の移動行事が中止になり、家庭環境も相まって経験の幅が狭まる子どもたちに届けています。どの子も取り残さず、社会への関心、将来への希望を持てる機会があることが、格差の連鎖を断ち切ると信じて、今後も活動を続けて参ります。

 

引き続きのご支援をお願い致します!

こども宅食は、文京区にお住まいの経済的に厳しいご家庭に、食品をお届けすることでつながり、見守り、必要な支援につなげていく取り組みです。

皆様のあたたかいご支援をお待ちしております!
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