文京区こども宅食 2024年度会計報告
いつも文京区こども宅食を応援していただき、心より感謝申し上げます。
文京区こども宅食は、2017年度に150世帯(年間延べ442世帯)への配送からスタートし、2024年度は828世帯(年間延べ5,510世帯)への配送を実現することができました。
※各年度の世帯数は、通常配送のうち配送世帯数が最大となった月の世帯数です。
前年度に引き続き物価高騰の影響があった2024年度でしたが、冷凍食品配送、図書カードの全世帯配付、臨時便の配送など、数々の支援を実施してきました。
子育て世帯を取り巻く状況の変化を反映しながらこの事業を進めることができたのは、皆さんの応援とこれまで託していただいたご寄付のおかげです。本当にありがとうございます。
ここでは、皆さんからのご寄付の使途を中心に、2024年度の会計報告をいたします。
官民連携のコンソーシアム運営
文京区こども宅食では、立場の異なる組織(自治体、NPO、企業、財団など)が、組織の壁を越えて一つのコンソーシアム(共同事業体)を形成し、互いの強みを活かしながらプロジェクトを推進しています。
また、主な運営資金は、ふるさと納税の仕組みを活用したガバメントクラウドファンディングにより集めています。このふるさと納税(ご寄付)は文京区で管理し、毎年度必要になるこども宅食の運営費に補助金として支払われています。
自治体と協働したからこそ実現した信頼性の高い事業スキーム
文京区こども宅食では、コンソーシアム構成員相互で取り交わす「コンソーシアム協定書」、コンソーシアム事務局と文京区で取り交わす「事業協定書」を締結しており、自治体との協働により信頼性を高め運営しています。
物価高騰の影響に対する支援策
2024年度には、前年度より続く物価高騰の影響でこども宅食利用世帯の経済状況が悪化していることを鑑み、複数の追加支援を実施いたしました。
●前年度に引き続き「高校生世帯増量便」として、高校生のお子さんがいるご家庭にお米を追加で2kg上乗せしてお届けする支援をすべての通常配送で実施しました。
●2024年8月、全世帯にお米を増量してお届けする「夏休み増量便」を実施し、高校生世帯は6kg、それ以外の世帯は4kgのお米をお届けしました。
●2025年2月、「常温便」と「冷凍便」のコラボ配送として、冷凍食品(冷凍エビプラフ、冷凍オムライスなど)をお届けしました。
●2025年3月、物価高騰対策として「春の臨時便」を実施しました。物価高騰の影響が続くご家庭の家計や家事の負担が減るよう、米、インスタント味噌汁、シリアルや炊き込みご飯の素、ゆで野菜などをお届けしました。
<目次>
1. コンソーシアム全体会計報告
(1) コンソーシアム全体の収入について
(2) コンソーシアム全体の支出について
2. 文京区からの補助金会計報告
(1) 文京区補助金の収入について
(2) 文京区補助金の支出について
①ふるさと納税について
②文京区一般財源について
3. 文京区補助金以外の会計報告
(1) 文京区補助金以外の収入について
(2) 文京区補助金以外の支出について
(3) 基金について
1. コンソーシアム全体会計報告

(1)コンソーシアム全体の収入について
2024年度のコンソーシアム全体の収入は66,589,297円(表①)です。
文京区補助金は、ふるさと納税(63,740,000円)と一般財源(1,511,000円)を原資にしており、補助金以外の収入には前年度繰越金(1,338,297円)が含まれています。前年度繰越金には、2017年度にいただいた村上財団からの支援金が含まれています。
(2) コンソーシアム全体の支出について
2024年度のコンソーシアム全体の支出は55,231,083円(表①)です。
経費の約99.8%を補助金(ふるさと納税等)から支出し、約0.2%の経費を村上財団からの支援金等、補助金以外の経費から支出しています。
※費目ごとの明細は表②およびグラフ①のとおりです。


詳細は次に続く「2. 文京区からの補助金会計報告」と「3. 文京区補助金以外の会計報告」をご覧ください。
2. 文京区からの補助金会計報告

(1) 文京区補助金の収入について
●コンソーシアム総収入のうちの文京区補助金収入について報告します。文京区補助金収入(65,251,000円)の内訳は、ふるさと納税(63,740,000円)及び文京区一般財源(1,511,000円)を原資にしています。(表③)
●ふるさと納税について、当初予算額(63,740,000円)とふるさと納税サイトの「ふるさとチョイス」手数料の合計額である71,460,000円を目標にご寄付を募り、「ふるさとチョイス」や窓口を通じて計21,201,000円のご寄付をいただきました。
寄付金については、全額文京区の「子ども宅食プロジェクト基金」に積み立てた上で管理されています。2024年度は、区の基金から63,740,000円を取り崩し文京区より補助金として交付されました。
●「子どもへの支援」のため個人から文京区に寄付された寄付金を財源とした一般財源から、1,511,000円を文京区より補助金として交付されました。
(2) 文京区補助金の支出について
次に、2024年度に文京区から交付された文京区補助金の支出についてご報告します。文京区からの補助金における支出(55,101,781円)の内訳は、ふるさと納税分(53,730,478円)及び一般財源分(1,371,303円)です。
●2024年度は、物価高騰に対する支援策として、追加支援を複数実施しました。
●補助金収入と支出の差額(10,149,219円)は、文京区へ返納しました。内訳は、ふるさと納税分(10,009,502円)及び一般財源分(139,697円)です。
●文京区補助金全体についての収入と支出の比較は表③のとおりです。
●費目ごとの詳細は表④のとおりです。
※括弧内は一般財源の金額で、内数で掲載しています。
各項目の詳細は以下のとおりです。
<人件費>
●設定されている各団体毎の業務に対する単価を用い、業務量に応じて清算を行いました。
<食料購入費>
●お届けする食品の多くが、企業や団体からの寄付のため、全体のバランスを考慮して、一部追加購入しました。また、追加支援(増量便や臨時便)の際にも食品を購入しました。
<支払い手数料>
●主に銀行振込に係る手数料となります。
<システム費>
●LINEやメールの配信システム、公式HPサーバー等の費用です。
<委託費>
●社会的インパクト評価におけるアドバイザー費用、弁護士顧問料、会計業務委託費、相談員委託費等を計上しています。
<宅配準備費>
●こども宅食の配送に係る費用、運送会社倉庫による保管、小分け作業等に係る費用です。配送料のほか食品梱包に必要な資材経費も含まれています。
<広告宣伝費>
●ふるさと納税の寄付獲得のためのWEB広告費等に係る費用です。
●寄付者の方にこれまでの活動を報告するアニュアルレポートの制作経費が含まれています。
<調査費>
●社会的インパクト調査について、アンケートの実施・集計に係る費用です。
<事務費>
●物品や体験機会のプレゼントキャンペーンの実施費用等です。
●2025年3月に実施した寄付企業・団体向けの事業報告会の実施に係る費用(感謝状の作成・送付に係る費用等)を含んでいます。

●この活動を支えるスタッフ16人(文京区及び村上財団の職員を除いた2025年2月時点の人数)の人件費内訳は以下のとおりです。

①ふるさと納税について
●ふるさと納税分について、63,740,000円の補助金が交付されましたが、実際にかかった経費は53,730,478円でした。差額の10,009,522円は、文京区へ返納しました。
●ふるさと納税分の支出53,730,478円には、全6回の通常配送及び3月臨時便の実施に係る費用の一部が含まれます。
●上記の支出額に加え、ふるさとチョイスの手数料として1,976,733円を支出しています。
②文京区一般財源について
●11月に実施した図書カードの配付について、「子どもへの支援」のため個人から文京区に寄付された寄付金を財源とし、2006年4月2日以降生まれの子ども一人につき千円分の図書カード、約1,180人分(発送費用含む)を宅配準備費として計上しました。また、全世帯配付にあたり、印刷費、支払い手数料をそれぞれ計上しました。
3. 文京区補助金以外の会計報告
次に、補助金以外の収入から支出した経費について報告します。
(1)文京区補助金以外の収入について
補助金以外の収入には、2017年度にいただいた村上財団からの支援金の繰越金等が含まれています。

※【前年度繰越額の修正について】
・2017年度から2023年度の補助金外収入について74,322円の計上誤りがあり、今回の会計報告の際に追加計上しました。(内訳:事業者自己負担分+74,336円、利息▲15円、雑収入+1円)
・2017年度から2023年度の補助金外支出について127,565円の計上誤りがあり、今回の会計報告の際に追加計上しました。(内訳:支払い手数料+23,220円、宅配準備費+79,480円、雑費+24,865円)
・2023年度に報告していた次年度繰越額(1,391,540円)からの修正額合計は▲53,243円となります。
(2) 文京区補助金以外の支出について
補助金以外の支出とは、文京区補助金(ふるさと納税等)以外から支出した経費のことです。具体的には、補助対象外事務費(スタッフ交通費、業務用パソコンの費用等)が含まれます。繰越金1,338,297円のうち、実際に発生した経費は129,302円であったため、差額の1,208,995円は次期に繰り越します。(表⑤)
(3) 基金について
皆さんからいただいた寄付金は文京区が積み立てて管理しています。文京区が管理する「子ども宅食プロジェクト基金」については文京区のホームページをご覧ください。
会計報告は以上です。2024年度にこども宅食が生み出したインパクトについては、後日レポートを公開いたしますので、併せてご覧ください。
引き続き、「文京区こども宅食」を応援していただきますようお願いいたします。これからも一緒に、こども宅食を届け、親子の未来をつないでいきましょう。
                            



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